ねむるのがこわい。
うまく眠れていないせいもあるのだと思うけど おかしな夢ばかりたくさたんたくさんみて 悲鳴で目がさめたりするので
今もまた 目をさました
じたばた暴れる金魚だった
あたしはいつ本当に目をさましたんだろう
夢の中と外はかぎりなくよく似ている どっちがどっちかわからないくらいに
からだがこわばって動かなかったのは ほんとうでしょうか夢でしょうか あの部屋から物音と話し声を聞いたのは ほんとうでしょうか夢でしょうか 起き抜けに本を手に取ろうとしたのは 本当でしょうかうそでしょうか
ただそのくりかえしの最後に 目をさましたら天井から 膨大な量の蟻がぞろぞろと降りてきて 壁をいくすじもまっくろに埋めているので いくらなんだってこれは夢だこれは夢だと そろぞろと続くその群れとまだ白く見える壁のあたりから 目をそらそうと必死になるのだけど
夢からは目がそらせなかった
小さくて黒いものを大量に見る 夢でなければ幻覚であると 自分に言い聞かせてた、おかしな夢
目をさます
こわごわと重たい腕を、あげる
生き返るのに 時間がかかり
からだのいたみがもどってきた
夢じゃない。
夢じゃない。
9月3日、深夜
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