『 hi da ma ri - ra se n 』


「 シンプルに生き死にしたかった 」


2005年08月18日(木) 気配→発作→檸檬

不安さんが、せなかにそっと乗る
ふりむいても見えない、ただそっと乗っている

こわい。

背中側にひらいているだろう虚空に
まねいているはんぱな笑顔でおいで、と
にまあ、と笑んで
ぱっくりと大きな口をひらいて、おいで、と。

こわい。

………ふりはらえないで
消せないで

だれかか背中側からぎゅうっと
すきまなしに抱いてくれたらいいのに

弱々しい対処
ありえない対処

・・・・・・・・・・

不安発作に喰われた
ねむるのがくすり?

小さなキズアトを彫るような夢をたくさんみて
あかるいあさ
起き上がることができなくなっていたこと
渇ききった喉がいたんだこと
ぼろぼろとこぼれていくしらふのうわごと
なにを言ったのやら、もう、覚えてなくて

「コンナニフアンテイナノミタコトナイ」

……そう?

「イッショニビョウインニイコウ」

………そうなの?

・・・・・・・・・・

自覚なしにつきすすんでいくから
すこしこわいらしくて
なんとか座らせてもらってグレープフルーツジュースを
飲ませてもらったような、喉にしみるぬるい酸味
おくすりをなげこんでうまく眠れるように祈る暇もなくて
another、と名づけたいくらいに
浮きあがって不自然に別人みたいだった朝

うん、まるで、「りっぱな病気みたい」に。

いまだに自分がなんなのかよくわからなくて
欝、という単語がひとの口から出てくるたびに
おかしなこころもちがします
あたしそんなにたいしたものだったろうか

・・・・・・・・・・

ながいこと、窓から部屋のふちをかすめていたひざし
もう堂々となかに入り込んで枕もとちかくで遊んでいる
あかるいね、あついね
せみが鳴いている
頭の上を
戦闘機がかっとんでいく
米軍基地めざして、いくつも、くりかえし

きくたび、きょうは、なにがあるんだろう、って
奥底のほうで危ぶみ不安になるような、轟音
生まれてからずっと同じような場所に住んでいるけれど
これだけは、慣れることができない、「生活音」。

ともだちと二人で
詩のサイト、をつくろうかという話があって
それから会うかもしれないひとがいて
そのことを思い出すと、あ、まだ生きていくんだと思う
不確定未来だけど、ほんのぽっちり
約束をもっている。スケジュールではなく約束。
すごく大事な子からとどいた手紙の文字の残像とか
ぐじゃりん、となぜか急にヴェールを剥がされてつぶれたとき
とびだそうとする足首を、だけどきちんとつかまえている

きのうの月
すこしまるくふくらんだ
白いれもんだった
ひややかにあたたかい
なつかしい、シャーベットの色

ひいやりとして
なにかを
洗ってくれるような
しゅわしゅわの白

re-fresh

おいしいれもん、さがしに行こうか


8月18日、変更線→正午


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