たくさんの混乱した場所を通り過ぎて 誰かの不在をひどくこわがることをおぼえた そこのとが夢の中まできちんきちんと浸食して わかりやすくその恐怖を見せてくれるようになったから
たくさんのあなたの不在の果てに ぼくはもう この道は行かないだろうと明るい部屋でたしかに思った しっかり握って離せなかったシャツの裾の感触 お願いだからそれだけはやめてくれと繰り返し懇願した その声はきっと自分のものに違いなくて
ありがとう、 あなたのあとをついて行ったりはしないよ おかしいな言い方でごめん でも、きっと あなたのおかげなのだと思う
かなしいけどかなしいけどくやしいけど あなたのおかげなのだと思う
ぼくが今注意しなければならないとしたら それはきっと、新しい不在を知ることだから もうこれ以上亡くさないために 必死になることに決めました わがままなのは承知だけど ぼくはぼくが死なないためにあなたに生きてて欲しいのかもしれない これ以上、あの失うかなしみを知りたくないし もう一度それが加えられたら どこへ行くか判らなくて
自死と素直に使えないのは ものすごくそれを怖がっている証拠です ごめんなさい 本当はそこから切りはなされて居たかったのです
行くしかないと決めたなんて誰だと きみを怒鳴りつけても縛り付けても そこへ、行かせたくはなかった ほんとうは、ほんとうは それくらいに図々しくて構わなかったんだ
判るのが遅すぎて、ごめんね 今更夢の中で必死になっていて ごめんね
でも、忘れないよ
がんばってみるよ
ごめんなさい
6月5日、夜
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