『 hi da ma ri - ra se n 』


「 シンプルに生き死にしたかった 」


2005年04月29日(金) love song to a little child

どこかしらこわれているぼくを
自分で所有できているとは、到底
思うことができないのだけれど
それでも持っているもの

力づよいことばは
じぶんには無効なんだよ
いくらひとを泣かせられても
いくらだれかを
楽にすることのできても

傷口にあてる手は自分のものよりも
ひとのほうがいいことをよく知っていて判っていて
支えて、と
ひとこと頼むことができない我儘なぼくたちのプライド
塞がないできりひらいていくいくらかの傷痕

旅は愛を深めるかも知れないけれど
ひとりで泣きじゃくるのは孤独を深める
その両方をいっぺんにこなしながら
それでも、ね

わたしはいつかまたあなたに会いたい。


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誰かの不在のぴんと来ないまま
とりこんだ、夏のひざしによく乾いたシャツの一枚
もう袖を通すひとがいないことに気づいたとき
そのときの狂おしさを今のぼくは知っている
悼むことばの持ち合わせがなくて不器用に黙り込み
だけど、知っています
その取り残された一枚のぱりっとかわいてあたたかいシャツの
どうしようもないかなしさ

……隔てているのはそれくらいのちがいなのかも知れません

持っているもののひとつきりは
あの不在のあまりにも大きくて
どうしようもないこと

季節だからでしょうか
思い出してしかたなくて
口に出せないから
こうやって……こんなところに記している

ねえあのひとが生きて暮らしてわらっていたことを
おねがいです憶えていてください

そんな思いしか浮かべられなかったころがカレンダーの日付と
めぐってくるお日さまや緑の色や日差しのつよさに載せて
またくりかえし親しみぶかく、現れるということ

たくさんのひとがまたふっふっと
かき消すように、不在に変わって

うねるかなしみ


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泣きじゃくるしか能のなかった夜
昔ずっと前に処方されていた
睡眠薬と安定剤と
ついでに頭痛薬を追加でなげこんで寝床のなかへ自分をねじこむ
夢はおぼえていないけれど
そんなにも悪いことはなかった
目をさましたら
あかるくてふりそそいだ夏のひかり

役にたたないぼくでした
ずっと以前から
そのままで
座ってことばをつむぐことはできても
立ち上がり外に出て行くことはなくて
なんにもなくて
熱と炎症と、たびたびわきおこる不安やなにかの
正体の不明なやつらを飼いならし、羨ましがり妬みながら

ひかりに食いついていけるかは、、、もう、
みんなそれ個人個人の
思うところにまかされるまま

黙るなんて大人ぶることもできないで
見つめていようとそんな気持ちでしか
いられなかった

はつなつの匂い
燃え上がっていく

つきささる緑
青い槍の葉
それを覆い隠しふりつづける
きんいろの

あなたのところにもふりそそいでいたらいい
あなたの目にも
見えていたらいい


4月29日、午後


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