『 hi da ma ri - ra se n 』


「 シンプルに生き死にしたかった 」


2005年03月18日(金) 中空

てんてんと
寝返りをうちながら夜がすぎるので
枕元のとけい
かた、かた、かた、と
秒針が刻んでいく60回かける60回くらいで
ぼくが根をあげる
いつものことですね

だからもう、朝です
午前何時かの
暗いくらい、朝

おはよう。



……ことばが少しずつこわれていって
この身体から頭から飛びはなれていって
もう自由になってしまう
置き去りにされたらからっぽになってしまうから
悲鳴以上のものであなたに近づけなくなりそうで
ぼくは手繰り寄せようとする
何もないように思えるその不穏な空間から
取り落としてしまったたくさんの単語をつかみ出そうと
額に、汗して
徒労のように

ただ
行にぽっかりとブランクのあいてしまったごとく
頭の中に虫食われ

落ちていった
思い出せない

眠れない、やすまらない、やみくもの中に
食われていってまぎれてしまう
記憶力には自信があると笑っていえたのは、ああ、あれはいつのころだったでしょうか
そうしてどうやって、あのころぼくは、
自分がそこに存在していることを疑いなくああもかんたんに
感じつづけていられたのでしょうか

……。

消えていくほうがやさしくなって
病じみたもの
また少しちかくなった気がする
なにか、これまで
遠ざけることに成功してきたやつらが
すぐ隣で微笑む

「やあ、また、会ったね?」

……。



腫れあがりかけた顔とか熱っぽいことよりも
眠れないでまたここに戻ってきたことの方が今は
途方に暮れて、もてあますこと……そうして外に出てゆけるのかひとりで
なかないでも
道をみうしなわないでも
からっぽにみえる外へ
この足で



まぶしいと思った

ぽかりぷかりと
目の前にただよう
訪れてくるもの
咲き初めた沈丁花の香りは今朝もつよくたちのぼって
すがすがしいきれいなものを
ぼくにくれた

ほんの少しわらう

今日は、ほら、
晴れているよ
窓をあけたら、あの鳩が
目の前をまっすぐに横切って飛んだよ

うつくしいと言うよ



3月18日、未明→朝


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