元気ですか
わたしはとてもさみしいです
たとえば
おなじ時間におはようといって それから一日の終わりに おやすみなさいと言って眠りに入る、 そういう生活を
したかった。
目がさめたら次に倒れるまで目をさましつづけていると こうやって朝が来て、いちにちがいつはじまるのかわからない たくさんの衝突と戦争、もえあがる炎、身体の外と内側と 焦点距離はうまく働かない。
ただ飢えている 食べものじゃなくて 咀嚼したいのは それではなくて
さまざまに暮れていく風景。
何日も昔。 飲んでみたアルコールが身体のなかで暴れつづけていたり ただただ血液が流れ出て行くまま止まらなかったり そうして、それらにかかわりなく続けられている営み、 エンドロールのまま静かに閉ざされたあの映像のことを 頭のなかのどこかが繰り返して思っている……「誰も知らない」。
春でもない夏でもない秋でもない でもその先に続くはずのゆるやかに不幸なユートピアのこと ああまた四人に戻ったという すこしゆがんだ安堵の根拠を あの手をつないで並んだ背中に咄嗟に思って その手ごたえはたぶん勘違いではないと 確信にちかくわたしは思っている
錆びたみたいな日光のふりそそぐ道を 野生児のように生きていっても構わないと 放りだされた背中は躍っていた
ただそれだけ。 ただそれだけ。
少しずつ、熱が上がって 少しずつ、痛み出す 目をあけていられなくなるまで
それでもあなたとともだちになりたいとか ばかなことを言っていたわたしがいる すでにあなたは 忘れているかもしれないけれど
すでにつめたくも熱くもない ことばを待っている
ここで こうして
あなたが世界に目をさますとき わたしはそろそろ 目をとじる 決して不幸なんかじゃない そう考えながら
泣かなくなったかわりに 笑わなくなりました。
8月26日、早朝 真火
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