自分への罵倒とかあんまりセーブしない感情とか そういうもので彩られたものをそのまま投げ出すと きっとみんなそんなの見たくないとおもう、 だから、あんまり、のぞかないほうがいいと思う、、、 それでも書いちゃう僕はひとでなしだった きもちわるいものを見せつけてごめんなさい
…………きれいな別れなんて存在しない、 だからあなたはなにも心配しなくていい
たとえばそのままのことをつつがなくすませてゆけるぼくのいることを 信じても信じなくてもべつにどちらでも大して変わりがないくらい ぼくのことなんかほんとうは希薄なのにな それでも夢を見ていた そういう人があんまり多いから ひとつひとつ きりはなしていく ばいばいと言って きりはなしていく そういうことをつつがなくやりおおせていけるじぶんのことが いちばん信じるに足りない
だって嘘をつくのなんて簡単でしかたない 笑ってみせてあげればいいだけのことだから 人生の最後の方までそのまんま行けたら良かったのにな とりあえずぼくはとんでもなく嘘吐きで その嘘吐きをやめる気も、あんまりなくて、 やめられるような気も、もっとなくて、 吐き気がするほどそとはあかるい
しずくになって垂れていった 血の筋のことなんか見なくていい 目の前に見せつけても見えないくらい あなたの辛さというのに 溺れていたらいいとおもう そのほうがとっても まっとうで、ただしいことなんだと、おもう、、、
あなたを守るふりをして自分のことを限りなくまもる、 笑って生きていくよなんて口で言うのはすごく簡単で あきれてしまうほどにあっけない、あっけない、あっけない するすると嘘で作れることの中に本当を混ぜ込んで力一杯投げるけど ねえ、いま、あなたのとこに、 それが転がっていかなかった? 後頭部にぶちあたった硬い硬い不愉快ななにか。
ひさしぶりに食べ物をきちんと食べたら明け方に起き出して吐き 涙と胃液でわからない腕にしっかりと今日のしわざを刻んでやる ヘルプ、とひとに向かって叫ぶのは実際にやってみたらあんまりしんどくて それを自分に課して2週間、ごめんなさいもうくたびれました ひとつひとつはずれてゆくぼくがここにいようとする手かせ足かせ、 心配とか言ってくれる人の存在が目に見えないわけじゃないけどでも あなたのことばなんて裏切りで彩られていて届かないんだよと 誰のこともふりかえらないで号泣できればよかった、 の、だろうか?
自分が捨てられたなんて思いこむのはまちがいだとおもう。
ぼくはだれかをすてるだろう そうして 同時にぼくはかれらにすてられるだろう 容赦なくたたきのめして半殺しになる、 それがほんとうの ところなんじゃ ない、だろうか?
「ねえ、離婚するってどんな気分?」 「そうね、半殺しにされたまま旅に出るような感じかしら」
8月12日、昼下がり 真火
引用「流しのしたの骨」江國香織
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