わたしなんかいらない
わたしなんかいらない
わたしなんかいらない
わたしなんかいらない
おまえなんていらない
おかえりなさいと言ったらハハは不機嫌になじったのだった けれどあの人をこんな場所でさらし者にする資格なんてわたしにはなく わたし、というやつが生きていくために、かぞく、が支払っている じかん、やおかね、を数えて数えて数えて、一円を、かぞえて
ああなんでもいいから働かなくてはいけないのだ そうしないとぼくはこの自分でつくりだしたふじゆうから ときはなたれることなんてできやしない おてんとうさまの下を顔をあげてあるくことなんて 恥ずかしくてできやしないのだ やってはいけないことなのだ こんな役立たずのなにも作り出せない腕のぼくには
・・・・・・わたしなんていらない
世界にかんずるこわさと不安をすべて紙の上に書き表せたとしたらたぶん ぼくは本当にきちがいみたいにこまかな屑になってそこに飛び散るだろう 自分なんかどこにもいなくていいんだと一秒ごとにたたきつけてやられる
誰かが死んだという話が舞い込んでくるたびに そうしてそこでいのちをうばわれたのが その人でなくわたしではなかったんだろうと 考える。
たぶんみんなたくさんの誰かに必要とされていたのに こんなどうしようもないぼくがただぼんやりと生きていて そうでないほかのひとが次々といなくなってしまうなんか
ぼくなんていらない。
3月4日、夕刻 真火
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