誕生日は世界から消えるのに最適な日なんじゃないかと まよなかに眠れないまんま目をぱっちりとひらいて おふとんの向こうの薄い影を見ながらぼくがぼうっとかんがえていた
せかいから消える日は
せかいから消える日は
大好きだったおようふくに全部火をつけて燃やして ぼうぜんとそれをみているまぼろしを最近よく見る ぼくのいちばん上の皮膚を焦がしている行為なのか 痛みを感じないことがふしぎに思えて仕方なかった
今日の一日を暮れさせる前に のまなかったおくすりが 明日をはじめさせなかったりして
目をさましたら朝でそこがまっさらな白で塗りつぶされていて 気持ちがすがすがしくとうめいであかるかった、はずの 一日のはじまりを ぼくはどこになくしてきてしまったんだろう
今から戻っていっても まだ 見つかるだろうか 今から捜しに帰っても まだ 遅くないだろうか
たんじょうび。
世界から消えるのには最適な日だとぼくはおもった。 夜が終わったのに、お日さまがのぼったのに その思いは消えてくれなかった。 頭の隅のほうからじわじわと侵食されてきてもしかしたらぼくは このたくさんのおくすりに手を出してしまうのかも、しれない ぐっさりとふかく閉じないきずをじぶんに突き立ててしまうのかもしれない 屋根からあのそらへ飛ぼうとするのかもしれない いつかいつも憧れていたとおりに ふっと そら、へ
(全速力で食い止めろたとえそれがどんなにのろい動作に見えたとしても)
親より先に死んではいけない ましてや 祖父母より先には
それだけがいちばんぼくを食い止めているような気がしている やがて来る 自分を消す日を決めることを
11月5日、未明 真火
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