無事に帰宅した友人から、電話があった。 昨夜のうちに品川駅所轄の高輪署に通報し、刑事に詳細を話したと言う。
『実害がなかったからどうかな〜とは思ったんだけど、ちゃんと聞いてくれたよ』
刑事の言うには、 今回の二人組は間違いなく危険な不法滞在者だろうが その(火を借りる→写真撮影を迫る)パターンはまだ聞いたことがないから 新たに報告を上げ、直ちに品川駅周辺交番や近隣署に緊急配備を促し 夜間の駅の巡回を強化する。 今後、もしまた挙動不審な外国人を見かけたら 特に被害はなくとも、ためらわず是非、110番通報して欲しい。 凶器を持っている恐れがあるのでくれぐれも注意して。 仮に何もしていなくとも、どうせ不法滞在者だろうから身柄を拘束することは出来る。 最後に、 今回の通報、誠に有難い。今後の捜査対象としたい。 被害を未然に防ぐことが出来て、非常に良い対応をされた。
と、大体このような回答であったそうである。 これで警察のケースブックに、小さいが新たなデータが加えられただろうか。
「警察が話をまともに聞いてくれて、良かったねぇ」
『俺もなぁ、有事なんだから電車の中だろうとすぐ通報すりゃ良かったよ』
「うんまあ… でも何も盗られてないと、普通は通報も躊躇するよね。 その日のうちだったから良かったじゃない」
『そう、そう言ってたよ。 皆さん、何もされてないと通報しないものなんですよ、 でも構いませんから、怪しいと思ったらすぐ110番して下さいね、 どうせ不法滞在者だから、それだけで僕ら身柄引っ張っちゃいますから、って。 声の感じは若そうだけど、しっかりした刑事さんだった』
「もしかしたら、やつら、まだその辺でウロウロしてたかも知れないし。 今回不首尾に終わったから、性懲りもなくまた現れるんじゃない? 放っとけば、別のお人好しな人が引っかかってたわよ」
脱線するが、アタシは過去2回、110番通報した経験がある。
一度目は杉並に住んでいた頃。会社帰り、不審な車にピッタリ尾けられた時である。 道の脇に寄って先に行かせようとしたが、その車は追い抜こうともせず アタシの自転車の速度に合わせ、依然つかず離れず後ろをついてくる。 「こいつ!怪しい!」 ガッ!と首を振り向け、ナンバープレートを見ると、車はピタリと停まった。 そのまま一目散に家に帰り、すぐさま110番通報! しかし意に反して、電話に出た警官の対応は不誠実だった。
『そういう時は、細い路地に入るとか、まあ逃げ道は幾らでもある訳でね』
ああ、このお巡りさんやる気ないなと思った。 ナンバーを告げても何も答えず、控えている気配すらない。 警察は、何かことが起こってからでなきゃ動かないというからなぁ。 パトロールさえしてくれないのかと、失望と苛立ちのうちに電話を切った。
二度目は、去年か一昨年のこと。 買い物の帰り道、繋がれていない中型犬が、道の真ん中でワンワン吼えていた。 アタシは小型でない犬全般が怖いので、袋を提げたまま、その場に凍りついた…!
『しっしっ、ほら平気だよ、早くおいでよ』
「いやあ!その犬追っ払ってよ!(怒)」
『こんなの怖くないよ、犬の方だって人間が怖いんだから』
「犬って、男は怖くても、女子供のことはナメるでしょ!」
家に着いて、友人がタバコを買いに出た時に110番した。 保健所に報せるのは可哀想だし、かと言って、あんなに吼えまくる犬を公道に放して 知らん顔しているような、なってない飼主はお巡りさんに叱ってもらわないと。
帰ってきた友人が
『さっきあそこにパトカーが停まってて “犬がいるって通報があったんですけど” と呼びとめられたよ』
「ほんと?お巡りさん、ちゃんと来てくれたんだ?(゚∀゚)」
『やっぱりお前か!』
友: ああ、あの辺にいますけど、別に大したことないですよ。 中型犬が綱切って逃げて、道で吼えてるだけですよ。
警: いや〜だけど、通報があった以上は無視出来ませんからねぇ。 犬が怖いと言う人もいますから。
友: 僕個人は、犬が好きですけどね。
警: 私も好きです。
「なんでわざわざ、大したことないですよなんて言うのよ! どっかの不届きな飼主のせいで、人が襲われるかも知れないじゃないの(怒)」
『襲ったりなんかしないよ、あんな小さい犬が』
「いーや、小さくなんかなかった。柴犬くらいあった」
警察が、日々寄せられる通報の対応に忙しいのは、よーく分かる。 中には、以前のアタシのように 『お宅の小さな問題にだけ係わってられないんだ』とばかり けんもほろろに突き放され、泣き寝入りする人だって大勢いるだろう。 そうして、些事と見られ弾かれた出来事が、大事件に発展することが結構ある。 警察を動かすには、取りこぼされた無念の犠牲の積み重ねが必要だなんて。 そんなのあり?
近年、日本警察の検挙率が落ち、欧米や韓国に実績で到底及ばないと聞いた。 日本のポリスマンは世界一優秀だと長年信じてきただけに、悲しい。
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