みちる草紙

2004年10月02日(土) 千里眼の男

子供の頃読んだ日本の昔話に『天狗の隠れ蓑』というのがあった。
(彦一とんち話だったかな?自信がない…多分違うだろう)
遠い記憶でディテールは定かでないが、大体以下のような筋である。

昔あるところに、一人の悪知恵のよくはたらく若者がいた。
若者は、身に着ければたちどころに姿が見えなくなるという“天狗の隠れ蓑”を
是非手に入れたいと策を練り、一本の火吹き竹を携えて山に入った。
そこで、高い木の枝に跨り、それを遠眼鏡のようにあちこち向けて覗きながら
「やあ、見える見える。花のお江戸に京の都!この千里眼で何でも見えるぞ!」
とか何とか、辺りに聞こえるよう大声で叫んだ。
それを聞きつけた天狗が、貸してくれと声をかけたが、若者はわざと応じない。
遂に焦らされた天狗は、宝物である隠れ蓑と交換にその“千里眼”を奪い、早速覗いて見た。
ところが、もとよりただの竹筒で京の都が見晴るかせる筈もない。
騙されたと知った天狗は悔しがったが、隠れ蓑を着てすたこら逃げ出した若者の姿は
既にどこにも見えず、追いかける術がなかった。
まんまと隠れ蓑をせしめた若者は、姿が見えないのをいいことに、方々で
悪さのし放題であったが、結局正体がバレて村人に懲らしめられるというオチである。
科学至上主義の現代における最高精度の遠眼鏡は、ハッブル宇宙望遠鏡だろうか?

FBI超能力捜査官のジョー(ジョセフ)・マクモニーグル氏は、地球の裏側をも見とおす
千里眼を持つ驚異の男として、日本で紹介され評判になった人物である。
以前から、エリート超能力捜査官が数名出演し、迷宮入りとなった怪事件を
次々解決してゆくシリーズ番組を、毎回わくわくしながら見守っていたのだが
中でもマクモニーグルには、際立って超人的な印象を受けたものであった。
氏が他の超能力者の追随を許さないのは、イメージを描写する際の卓越した画力だ。
衛星写真さながらの地形の俯瞰図や、遠近法を駆使して描いた建造物や風景など
サインペンでさらさらと一気に描いて見せる。ひとくちに透視と言っても
解釈を他者に委ねるアバウトさはなく、彼が提示するのは飽くまで
取材レポートのように詳細で緻密なイメージである。う〜ん。これが何とも不思議。
かつてケネディ大統領を暗殺した犯人は、公にはオズワルドであるとされているが
マクモニーグルは否定した。これも、この人が言うんだからそうなんだろうと思ってしまう。
また、やはり真犯人が挙がらず時効が成立して久しい、かの三億円事件の
実行犯が現在悠々と暮らしている場所は、なんと九州の福岡なのだそうだ。
今更見つかったところで不起訴処分とは言え、あの瞬間、もしかしたら
犯人は福岡のどこかで肝を冷やしていただろうか…。

        

堂々とした押し出し、もの静かで落ち着き払った風情、鋭く見据える眼光。
今やすっかりマクモニーグル贔屓のあたくし♪

途中、観客相手の余興で、透視能力テストなるものを実施したので、アタシも酔狂に
紙とペンを用意して実際に挑戦してみたのだが、ターゲットに結構近いイメージを
描き当てることができてとても興奮した!(*゚∀゚*) わっ!うそっ♪

それと気づかず超能力が眠っていたのかしら?ロト6買ってみようかなぁ。


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