土曜日生まれは腰痛持ち

2010年07月27日(火) 映画「プレシャス」を見てきました。

この日記を以前から覗いてくださっている方でも
ほぼ忘れているのではないかと思いますが、
私、「エンピツ」の日記をもう1本借りて、
一応ここと並行して映画紹介の文章も書いています。
だから、本来ならそちらに書くべき話題なのですが、
どうもこう、うまくまとまりませんで、
でも、何か書き留めておきたくて、
こちらで失礼します。

「プレシャス」は、
その内容のヘビーさ(原作はどんななんだろ)、
一部キャストの豪華さがいい意味で見当違いなところ、
賞レースでの健闘などなど、
痛快娯楽作ではないけれど、話題の映画ですね。
いやあ、力強くもおぞましく、
目を背けたり、耳を塞いだりしたくなるシーンも
そりゃ確かに多かったけれど、
その次の瞬間には、「え、今のなになに?」と、
くいつかずにいられない作品でした。

実父と義父からレイプされた結果、
16歳にして2人の子持ちである
太った黒人の少女“プレシャス”が主人公です。
こんな輝かしい名前なのに、
それまでの人生、ほぼゴミのように(とりわけ実母から)
扱われてきたであろうことは、
想像にかたくありません。
2度目の妊娠で退学処分になった後、
その学校の校長のはからいで、
EOTOといわれる代替学校に入学し、
美しく強く優しいレイン女史の導きで、
自分を尊重するすべを身につけていくのでした。

レインを演じたポーラ・パットンは、
本当に美しい人でした。
ハル・ベリーにちょっと似た感じの
典型的なブラックビューティーなのですが、
表情がすごくいいんです。
ここのところ大人の映画をまともに見ていなかったので、
最近の俳優さんにはとんと疎くなっていたのですが、
久々のヒットでした。

プレシャス役のガボレイ・シディベ、
その母親役のモニークは言うに及ばず、
ほぼ皆さん怪演、好演なさっています。
そんな中、マライヤ・キャリーを見直した!という方も
結構おいででしょう。
私もその1人です。というより、
エンドロール見て「うそっ」と声が出そうになりました。
レニー・クラヴィッツもキュートでした。
そのまんまの役で、
医療系ドラマ出演のオファーが来てもおかしくないレベルです。
吹き替えはやっぱり大塚明夫さんかなあ。

どう考えても嫌悪感しか湧かないようなところもあるのですが、
だからといって避けるのはもったいない作品です。
絶望と絶望的状況の違いとか、
この世で一番人を勇気づける言葉について
お粗末なアタマで考えてしまいました。


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