土曜日生まれは腰痛持ち

2005年10月21日(金) よい絵本の選び方

本日の、タイトルがタイトルではありますが、
恐れ多くも指南いたす!という内容ではなくて、
「……があるなら教えてほしい」と続けたいところです。

私は、新聞の書評で扱われる絵本とか、
その筋の専門家のおすすめ絵本が苦手です。
率直に言って、
「ここが優れている」と推す、その部分こそが
最も好みでないことが多いからです。

子供の好みというのは、結構移ろいやすいし、
どーせ今のところ字は拾い読みで、
絵しか見ていないし、
図書館で「これがいい」と持ってきても、
5秒後には何の関心も示さずということもあります。

だったら開き直って自分の好みの絵本を、となるわけですが、
これはこれで、結構難しいのです。
子供の頃に大好きだった本のタイトルを何とか思い出し、
探してみても、もう絶版になっていることもしばしばですし……

そういう状態で、週1で図書館に行って、
一体何を借りるかといえば、
これはもう、8割方「直感」に頼ることになります。
背表紙でタイトルを見て、これはどうかなというものを手に取り、
あとは中身を見て、消去法で消していきます。

ところで、そのタイトルですが、
「おたんじょうび」「クリスマス」「ひなまつり」系のものは
そもそも避けるようにしています。
おたんじょうび云々は、
よくあるサプライズパーティーものである確率が高いので、
〈ついでに、なぜかシリーズものの一つであることが多い〉
どんなに魅力的な絵柄でも、白けることがしばしばです。
年中行事系は、「それ」が近づいてくる頃にはいいのですが、
時季外れに読むと、なぜか寂しい気持ちになることが多いので
できるだけ避けます。


絵に魅力を感じられないものは、問答無用でペケ。
これは「かわいい」とか「きれい」には限りません。
これも直感頼みで、
あくの強い絵柄でも、妙に惹かれるものも多くありますので、
この人の絵がどうのこうのという、
特定の名前を挙げるのはやめておきます。

また、仕事と仕事の合間に図書館に行くことが多いので
お話の内容自体は、吟味している時間がありません。
そこで、「字の分量が適度であること」を目安にします。
余りにも字が多く、自分で読む子向けのものは
筋自体が大きい子供や大人向けであることが多く、
子供が途中で飽きてしまいます。
かといって、短文が1ページに1行くらいのものは、
どうも食い足りません。

絵の中にコミック風の吹き出しや
文字の情報が多いものも避けます。
目まぐるしくて、読んでいて疲れるし、
これもまた、年齢の高い子供向きであることが多いので、
ちょっとした目安になります。

お勉強色の強いものも、物によっては借りますが、
大抵好みでありません。
私は「楽しく勉強する」とか「勉強が楽しい」という言葉は
嫌いではありませんが、
「楽しみながら勉強する」という発想は大嫌いです。
同じことを言っているようでいて、
後者には「吹っ切れなさ」を感じるからです。
「勉強は、おもしろくないと思えばやらなくてもいい。
おもしろくなくても、自分に必要だと思えばやるべき」
と、長女が「読み聞かされ」世代の頃から
言い続けてきたので、
現在読み聞かされ中の次女にも、
まー今さら方向転換も面倒だし、
同じポリシーで言い聞かせていこうと思います。

そうそう、仕掛け絵本も一応外しておきます。
自分で買う分にはいいのですが、大抵は高くて手が出ないし、
図書館で借りると、仕掛けがきちんと機能しないほど
使い込まれていることが多いので、
悲しくなるからです。

そして、外国の絵本の場合、
これは大きな声では言いにくいのですが、
「声優の声は娼婦の声」という、某アニメの大御所の発言に
少しもシンパシーを覚えない者としては、

「翻訳方面以外で有名な人の訳」のものは、
何度か失敗しているので、
これから避けていきたいと思います。
語学に堪能な俳優・タレントのものや、
時には文筆業の人のもので
「どうかと思うぞ」というものがかなりあるのです。
それはきっと、独自色を出すぞーという
妙な力みが痛々しいからではないかと思われます。

原文も読んでいないくせに生意気な話ですが、
こちらが求めているのは、
読みやすさ・伝わり易さであって、
あなたの自己表現ではないんだよ…と言いたい。
もちろん、いわゆるプロの方の仕事でも、
文体が好みでない場合はありますが、
大抵のプロ翻訳家の技術としての翻訳には、
一定の敬意と評価を示していい気がするのです。


こうやって削るだけ削っていっても、
まだまだ読むものがたくさんあります。
そんなわけで、図書館通いはまだまだ続きます。


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ここまで読んでくださって、どうもありがとうございます。
「よい絵本の選び方」とか、
そういう感じのキーワードでこちらにいらした方、
少しは参考になりましたか?
つーか、共感していただける部分ってありましたか?
できれば、そんなあなたとお友達になりたい気持ちです。

※この文中の「私」と「次女」のデータ
○私(読み聞かせる方)37歳・在宅入力業
 口に出しておもしろくない文章は読みたくない
 (ただし、過剰な言葉遊びやリフレインは苦手)
 好きな絵本作家(絵・文)いもとようこ/林明子/
 アニタ・ローベル/かこさとし/アーサー・ガイサート
エルサ・ベスコフ
 「小さいものが狭いスペースにごちゃごちゃ」
 描いているような感じの絵が割と好き
○次女(読み聞かせられる方)5歳
 動物では齧歯類好き(特にうさぎ)
 怖い話が大の苦手


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