エロとピンクとアミタイツ。
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2002年08月10日(土) キーンコーンカーンコーン。

さて今日の授業は、廃刊雑誌「じゃマール」について。

すたれて、気づくと廃刊になってる雑誌の世界は、
気づいたときには世間からフェードアウトしている芸人に近いものがある。
おーい、つぶやきシローやーい。フォークダンスDE成子坂やーい。

出会いが金で買えるっていうのは重々承知だけど、
それにしてもあの雑誌の登場は衝撃だった。
知らない人や覚えてない人のために概要を述べると、
企業が人材を募集するのと同じ形態をとる、「個人のための」求人誌、とでも申しましょうか。

「ウエイトレス募集」とか「短期バイト急募!」とかいうのと同じノリで、
「バンドのギタリスト募集」とか「さみしい僕にメル友急募」みたいな
極めて個人的な「募集」がフロムエーに近い形態で延々とのっている。

見やすいように当然カテゴリー分けはしてあるんだけど、
「バンド関係」「飲み仲間」と並んで、やっぱり来るのは「友達・恋人募集」。
プリクラ付きで携帯番号とかメールアドレスとかが雑然と並んでるあのページは
ちょっと、恐怖、ですよ。

当時おもしろ半分で何冊か買ったけど、笑いのネタでしかなかったなあ。
出会いが210円で買えるっていうのは、16の自分にはかなり衝撃だったけど、
「飲み仲間募集」から「京子、帰ってきてくれ」って言うヘビー級までそろってて
あれ、今思い返してもレベル高かったなあ。
「おいおい、こいつら大真面目だろー?」みたいな、タカラヅカみて爆笑するのに近い感覚。
なによりそのこと自体がギャグだったし。

結婚相談所とか、お見合いパーティーとかにわざわざ出かけた時代は終り。
載せるほうは何千か何万か(知らないけど)の掲載料を払って網をはり、
読者は210円で未知を買う。
あたい、ずいぶんとまた人生に対して不真面目なものを感じたんですが。

だから、つい先日、そういやあ最近じゃマールみてねえなあ、と気づいた時に
そんだよなあ、金で買うもんじゃねえよなあ、
とか一瞬思ったけど、別に意識が変わったわけでもなんでもないんだよね、きっと。
こんだけネットが普及すれば、なにも月に一度の雑誌に頼る事なくなるもの。ただ、それだけの理由。

インターネットのおかげで世界はどんどん近くなり、
かわりに人との距離はどんどん遠くなっていく。
電源切ったらサヨナラできる、近くて遠い、不可解なハコ。

これに比べたらじゃマールって案外かわいいもんだったのかもしれないなあ。

余談。
フォークダンスDE成子坂は解散し、
小さい方(ツッコミ)はピンで(ツッコミでピンて)活動、
でかい方(ボケ)は
「THE 3センチ」っていうバンドやってるらしいです。
バンドかよ。
だけど、いまさらそんな悪態ついてみたって、
15の頃、私が彼らの追っかけをやっていた事実は消えない。


小日向マリー |MAIL

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