エロとピンクとアミタイツ。
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2002年04月18日(木) ハイ、いいですかー。

アタリハズレの多い大学の授業ですが、
ひとりすごい先生がいる。

「ハイいいですかー、デブは病気です。」

きた。
いきなりこうですよ。
彼の「ハイいいですかー」が聞きたくて、
木曜日は遅刻もせずに学校へ行く。

「ハイいいですかー、あなたたちどうせ死ぬんですよ。」
「ハイいいですかー、漢字が読めない奴は全員バカですね。」

去年心筋梗塞で死んだ先生をならべて
「ハイ即死。ハイ即死。」
と繰り返す。

「生まれ変わったら何になりたいですか?
次は男になりたい?動物がいい?歌手になりたい?あー、いいですねえ。
ハイいいですかー、ヒトは生まれ変わりません。」

彼は生命を科学する。
そこには夢も希望もへったくれもないが、
その1ミリの甘えも許さない感じがあたしは大好きだ。
ひとつひとつつぶされていくコドモノユメを感じながら、
その「ぐしゃ」っていう音を忘れないように急いでノートに写す。

「なんて夢のない。」
ひとはしばしばそう言ってしまいがちだが、
現実のなかにこそ新しいユメがあるのだ。
彼は科学に基づいて事実だけを述べているのだろうけど、
それは生活のループに麻痺したあたしたちになげかけられるあたらしいメルヘンだ。

「ハイいいですかー、あなたたち、今日の帰りに轢かれて死ぬかもしれません。」

だから、あんたが大好きだ。








小日向マリー |MAIL

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