(私が)忘れなければいい…谷口の日記

谷口

谷口奈亜美の三国志覇道伝 七
2007年03月10日(土)

北方三国11巻読むの再開。間に酒見三国志とか恋姫とかやってたから大変な事に。「張飛の仇取るどー!」って所です。韓当のオヤジさんがいい味出してます。BDでいう土崎ポジションだよな。

しかし、元はと言えば北方三国志を読む為に三国志覇道伝始めたのに、その北方三国志を横においておくって本末転倒甚だしい。

●映画『赤壁』、トニー・レオンが出演を辞退。代役は金城武に決定
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=6372
ト二−の出演辞退に意外にショックを受けている自分が居て吃驚。
「どうする赤壁〜開戦は計画的に」な子犬アイ軍師に根負けする呉首脳陣が見たかった…

という事で
周瑜:周潤發
諸葛亮:金城武
曹操:張豊毅
孫権:張震
趙子竜:胡軍
小喬:林志玲

だそうな。やっぱり、周瑜は二丁拳銃ならぬ二刀流でハト飛ぶのか。


●アニメ「鋼鉄 三国志」4月より放送開始
http://www.koutetsu-sangokushi.jp/file/jsp/index.html
孔明が子安で周瑜が三木眞て、これなんて腐女子向け三国BASARA?
普通に見ますけどNE!!!超楽しみですけどNE!!!(色んな意味で)


という事で今回の三国志覇道伝は酒見三国志です。
本当は本棚ブログ用に書いたものだったのですが、あんまりにも長いので「三国志ヲタ、長文きんもー☆」と思われてはいかん!!と思い本棚ブログでは少し削りました…(それでも3日ぐらいそのクソ長い長文があがっていた)

ので、文章がカタギ仕様なのであんまり面白く無いです。でも無駄に暑苦しい感じです。


酒見 賢一 / 文藝春秋(2004/11/25)
Amazonランキング:4904位
Amazonおすすめ度:



『泣き虫弱虫諸葛孔明』というより『奇人変人諸葛孔明』といった内容。
泣き虫でも弱虫でもなく妄言奇行挙動不審自意識過剰の厄介な青年でブラックユーモアと軽快(過ぎる)な筆を持って『三国志』と『三國志』あまたの三国志にまつわる歴史書にツッコミを全編にわたり入れる一冊
ブラックなツッコミをしつつも登場人物が活き活きと動き回り小説としても飽きさせる事なくぐいぐいと酒見賢一の三国志世界へと引き込まれてゆく。特に孔明の姉の舅・ホウ徳公は孔明に勝るとも劣らない変人策士で年寄りの暇つぶしといわんばかりに場を掻き回し、果ては有名な見せ場三顧の礼にも彼が一枚噛む事となる。
そうすると、不思議と不自然極まりない三顧の礼(大雪の日に何故か孔明がでかけている。大雪の日に孔明の友達たちが近所の酒家で孔明の噂話をしているなど)の辻褄が合ってくる気がするのだからおかしな物だ。
後に孔明の主となる劉備も演義での品行方正・人徳の将軍の顔はどこへやら豪傑関張を従える肝っ玉は太いが行き当たりばったり考えなしのヤクザの親分として書かれ昨日の敵は今日の友、またその反対もしかりという実は三国志で一番の外道裏切り者というレッテルがしっくりくる一癖もニ癖もある人物を地でいっている。
一番腹を抱えて笑った所は英訳・三国志で「ナイス アタック ブラザー!」と喜びあう劉備三兄弟が金髪碧眼の荒くれカウボーイに見えてくる所。
他、脱線ともとれる作者の雑学雑感を交えその脱線とも思った文章が一章の大きな主題に見事に繋がり無駄に見えて無駄がない。
無駄こそが酒見賢一を他の歴史小説家たちと一線を画し、そして唯一無二の作家たらしめているのではないかと思った。
真面目な三国志読者には酒見賢一の毒舌とひねくれ揶揄するような描写で語られる孔明像は不愉快に思うかもしれないが何十、何百と出版される三国志関連の書籍の中でこのような異色作があっても良いではないかと思った。そして、そこまで膨大な関連書籍が出される程三国志は読者を惹き付けてやまず、そして最初は軽い気持ちで書き出したかもしれない酒見賢一も蓋を明けてみれば五百頁近い厚い本になり、ついには同じ厚さで第二巻刊行という酒見賢一自身も最早三国志世界から容易には抜けだせなくなってしまったのではないかと思った。確かにかなり穿ったひねくれた見方をする作者ではあるが、本の厚みと下手な数多出版されている三国志関連書籍よりよっぽど面白い事が書いてあると思う濃密な文章から決して三国志が嫌いなわけではないという事を感じ取って欲しい(三国志人気にあやかった金儲けのためだけにあれだけ調べ書いたのだったら、それはそれで凄いが)
三国志という割には曹操の魏とくらべると孫権の呉、劉備の蜀は圧倒的に差があり魏と比べるのもおこがましいと言われるが、その圧倒的弱者が圧倒的強者に立ち向かい、かすり傷だろうと負わせたという所が三国志の面白い所だと私は思うのだがどうか。
第2巻では孔明初陣から長坂の戦いを書くそうだが是非とも赤壁の戦い、五丈原に散るまで(もっと言うと姜維に霊となっても策を授けにくるエピソードまで)酒見賢一の孔明の活躍を見たいものです。


●蒼天ビジュアルでやるとしっくりくる酒見三国志の図
http://valleys.hp.infoseek.co.jp/%20image2/sakami3594.jpg




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