ぼんやり日記
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2003年11月05日(水) 彼女の誕生日

友人の誕生日がもうすぐだ。

小学校に入って初めてできた友達だった。
小学校6年生から高校3年生まで
ずっと交換日記をつけていた。
どちらも一方的に自分のことだけ書いてるだけの
日記だったけれど、お互いダラダラした性格ゆえ
ダラダラと卒業すこし前まで続いた。

高校を卒業してからは、彼女は奈良の短大へ
私は大阪の会社へ行くことになった。
高校時代のクラスが違っていたので
何となく疎遠になっていった。

帰省して同窓会で会った時は、ずいぶん
イケてるおねえさんになっていた彼女。
学生の頃は隠していた、彼女の積極的な面が
開花していた。

幼い頃は「バレエを習いたい」と言っていた。
ほんとにバレエ体型で、ものすごく体が柔らかくて
田舎でなかったら、きちんと習える場所があったら
そこそこいいダンサーになってたんだろうなあ。

モントリオール・オリンピックを見て
二人ともコマネチの大ファンになった。
それからは体操の話ばかり二人でしていた。
彼女は体操を習いたいと言った。
私も大賛成だったが、体操部なんてものはなかった。

高校に入り、はれて新体操部に入部した彼女。
やっと、やっと、やりたい事ができるね。
体も弱かったけれど好きなことには一途な彼女。

その後、紆余曲折を経て、短大卒業後は
ジャズダンスのインストラクターとなった彼女は
上記のように、華のある素敵な女性になっていた。

大きくなってからは密に付き合ったことはないけれど
結婚した時期も同じで、同い年の子どもがいて。

その子がまだうまく言葉を操れないうちに
急逝してしまった彼女の誕生日。

幼いひとり子を残して逝かねばならない無念な思い。
「あとの事は神様にゆだねようよ。○○くんのことも
ご主人のことも。心配しないで」
祈りながらそう話すと、気丈な彼女がぼろぼろ泣いた。
彼女のためにも生きなくちゃ。
彼女の分も生きなくちゃ。
彼女の思いを、その涙を忘れちゃいけない。
いつか、彼女のお子さんにそれを伝える日まで。

彼女がいないのはわかっているのに、
その日が近づくと、あ、そうそうと思う。
彼女の誕生日プレゼントを買いに行った小さなあの頃。
おこづかいをためて、彼女に喜ぶ、彼女に似合う
とっておきの素敵なものをプレゼントしようと
雑貨屋さんで1時間以上迷いに迷って
お店に人に文句を言われたあの頃。

何年経っても悲しいし、年が経つたびに
思い出が新しくなる。彼女との思い出。
そんな思い出も全部ひっくるめて
彼女に感謝する、そんな1日としたい。


2002年11月05日(火) キングクリムゾン

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