ぼんやり日記
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2003年01月28日(火)

先日、ライフセンター(キリスト教の専門ショップ)で
ゴスペルシンガー岩渕まことの2枚組ライブCDを買った。
その中に“父の涙”という名曲も含まれていた。

それを聴きながら、自分の父のことを思いだしていた。
もうそろそろ父のことをきちんと考えてもいいような気がした。
私は父が大好きだった。いつも精一杯父を愛していた。
父は完全な人だと思っていた。
頭がよくて、いつも正しくて、何でもできて私を可愛がってくれる人。
実際はかなりの気分屋で、猫かわいがりしてくれていると思ったら
突然怒り出してその度に私は身を縮こませた。
それでも父が好きだった。顔色をうかがいながら抱きつきに行った。

いろいろあって父が亡くなった。
その当初は泣いてもいい気がして泣いた。
数ヶ月すると、もう泣く必要がないと思って泣きやんだ。
父のことを考えなくなった。
友人との会話の中で「私はファザコンだから」と言ったり
母と父の昔話をすることはあっても、特別感傷的にはならなかった。

父が死んだのは過去のことで、父と私は遠く離れている。
思い出の一つであり、すべては解決済み。そう思っていた。
でも、そうではないこともうっすら気づいていた。
私は、いまだに父の死に直面できていない。
父の期待に応えることができず、失望させたまま
受け入れられないまま、父が死んでいったことが恐ろしかった。
父に受け入れられなかった自分を、自分も受け入れられない。

昨夜、父のことを考えた。
涙が出てきた。23年ぶりに父のことを思って泣いた。

教会で牧師先生がよく言われる。
「あなたのお父さんのイメージはいかがでしょうか。
怖いお父さんですか、優しいお父さんですか。厳しいお父さんですか。
寛大なお父さんですか。そのお父さんのイメージが、そのまま
天の父なる神様のイメージとダブるのですよ」

私の神様のイメージ。
大きくて暖かくて正しくて、でもやっぱり恐い。
とがめられそうで、責められそうで居心地が悪い。
本当はそうではない事は知性でわかるのだけれど。


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