ぼんやり日記
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2002年05月15日(水) 主婦業のもどかしさ / お迎え

私は専業主婦。
主婦の仕事である、炊事、洗濯、掃除、育児、どれも決して得意ではない。

でも、それらは生きていく上でするべきものだし、今からそれを否定したり
不満を書こうとしているのではない。

例えば昨日。
埼玉の知り合いが、わざわざ編集してくださったビデオを見ていた。
土曜日にいただいてから、早く見たかったので
わくわくしながらTVの前に座り、雑用をしながら見る。

コステロと佐野元春が出てきた。
この組み合わせだけで恐れ入った。
22年前の曲(この放送が最近ではないそうなので、更に何年か前)
といってコステロが「アリスン」をアコースティックで演奏した。

あの頃。アリスンを聞いていたあの頃。
リンダ・ロンシュタットの「アリスン」はもっと肉厚的だったっけ。
断片的に過去がよみがえってくる。

続いて佐野元春が「彼女」を演奏した。
これも少しずれるが同じ頃だ。
すり切れるほど聞いたレコードのひとつに入っていた曲。
(っつーかすり切れちゃいました)
もちろん懐かしさと当時の自分の思いがよみがえる。
しかし、それを越えてもっと何か、気持ちに訴えるものがある。
なんだろう、なんだろう。

しかし、ここではっとした。
幼稚園のお迎えの時間になっている。もう猶予がない。
本当はもう少し、曲と自分の中にあるものを分析したかったのだけれど
今すぐ立ち上がり、笑顔で玄関を出ていかなければならない。
こういう時のもどかしさである。

私の一日には時間がたっぷりある。
だからこそ、昼間っからPCの前に座っていられる。
しかし、この駄文日記も最後まで書き終えるまでに何度も席をはずす。

まとまって時間がとれるのは10分、15分。
それでもトータルではとても余暇があるのだ。
結局、その日はビデオをもう一度みる機会はなかった。

独身の頃、割に仕事は忙しかった。残業時間月/100時間というのも
ちっとも珍しくなかった。
帰宅して、ごはんを食べて寝るだけだったような気がする。

それでも私は何かに触れ、何かに心を動かし、
たえず何かを考えていたように思う。

一人だったからだろうか。
集中できる時間を持つことができたからだろうか。

主婦がいやだと思わない。(むっちゃ苦手ですけど)
けれど、ちょっともどかしい、と私が思うのはこういうことである。

よくわからないけど、こういう事を考えている専業主婦の方は
たくさんおられるのだろうか。おられるといいなあ。

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夜、8時過ぎ。
パパから電話がかかってきた。
「今、最寄りの駅。買い物ある?」
お、今日は早いやん。妙にうきうきする。
上二人は仲良くお風呂に入っている。

ふと思いつき、ぶたこに「おそと、いこうか」と声をかける。
うん、うん、とうなづきながら、ぶたこは玄関へ。
雨が降ってるけど、まあいいか。
上二人はお風呂やし。
レインコートを着せようとしたが、ぶたこは傘を持って放さない。
まあ、いいか。

少し雨が降っていた。
上着を着なかったので肌寒い。
マンションの前を少し歩き、パパを待つ。

ぶたこは傘で遊んでいる。
おねえちゃんの傘だけど、やっぱり重くて持てない。

前方に黒い人影。
近づいて止まった。
ぶたこに気が付いて、人影がおどけたポーズをした。

ぶたこ。
傘で顔を隠してしまった。
顔を見ると恐怖に引きつっている。

「おとうさん、早く近くに来て。」
パパが近づくとぶたこは私にしがみつこうとした。

「おとうさんやで〜」
やっと気づいたぶたこは笑顔に。

夜道でこちらに向かって来る人が、突然止まって
おどけたポーズをしたら、確かに怖いよね。

「上の子は?お風呂?」
そんな話をしながらマンションの玄関前に行くと
二人がパジャマを来て、こちらを見ていた。
「もお!おかあさんもぶたこも居れへんし!」
むくれ顔の二人にごめんね、と謝った。

夏になれば、みんなお迎えできるね。
パパが早く帰って来られればね。


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