カエルと、ナマコと、水銀と
n.446



 混沌として、道を行くんだ

=混沌として、道を行くんだ=

右足を前に踏み出して、左足をさらに前に踏み出して、もう一度右足を前に踏み出して、そんなことをしていたら、いつかきっと気が触れちゃうって。
それよりも、ああ、俺はこれでは何歩目なんだい? 

=ズルイほどの光をアビテ=

日曜日の午前中が始まって、僕らは何もする気が起きず、二階の部屋からアパートの管理人宅の庭に咲くハクモクレンの白い花を眺めていた。
そのジカンは限りなく、狂おしく、胸をかきむしりたくなるほど幸せはずなのに、僕は笑えなかったし、ユキも笑えなかったし、幸福な光を浴びること自体、僕らにはためらわれてしまっていた。

=使用注意=

それはそれで一体何だか分からなかったし、多分それはきっと他の何かと一緒になって初めて意味を持つ「何か」であって、そうだな、車のエンジンみたいなモノだったんじゃないか、と考えている。

2002年08月02日(金)
初日 最新 目次 MAIL


My追加