カエルと、ナマコと、水銀と
n.446



 ひらがな

=ひしがた=

一歩目を踏み出して、それを一歩目だと意識したとき、それ以前の一歩は完全消去されるわけで、歩き続けるべき運命の、ヒトである俺にとって、この一歩は一体何を示唆してるんだい?

=まんげつ=

真っ黒の夜の高い位置に据えられた満月に手を伸ばす。届くはずもないのに、その満月を追っかけて、その逃げる満月を追っかけて、走っていく。ムーンウォークのように前進のない道化。

=いぬ=

犬を埋めていくと、彼女までもが届かない幻影となっていくようで、僕は奥歯がぶつかって白い線香花火のような火花を散らしているのに気付いていた。例えばここでぺしゃんこになってしまった犬が膨らんで、もし吠えながら、しっぽを嬉しそうに振りながら僕にじゃれてきたのならば、君はをもう一度僕の手で抱きしめることが出来るのだろうか。



=お久しぶりです=

今から書こうと思ってる作品の元となる部分です。書き上がるのか分からないけど、とりあえず「浮遊隕石」も書き上げられたので大丈夫。。。

2002年07月27日(土)
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