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■ 凍えるさざ波
=凍えるさざ波=
知らない間に、誰も見ていない間に、夜の間に、冷たい夜の間に、それは降り積もる。音もなく、形もなく降り積もる。 それは積もって、震えてる。寒さに凍える、さざ波のように。
=ミドリの光と=
風が少し木の枝を揺らした。何故か僕は、何かが木の上から落ちてきそうな気がして、その下まで行き、上を見上げた。 何もない。ただ、朝の涼やかな日光が、緑の葉を透かして僕を照らしているだけ。
=碧白色=
限りなく澄み切って、限りなく冷え切った空気。青白い月光が、雲に鳥の影を照らし出す。 「僕一人の世界だ」鳥は呟いた。涙が少し伝い、落ちていった。落ちて行く途中で、氷になった。
2002年04月12日(金)
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