コラム 作家とその収入について - 2003年12月13日(土) プロ野球選手の契約更改の季節である。 私たち読者は好きな本を好きなだけ読めばいいが、プロ野球選手は球団が認めなければユニフォームを脱がなければならない。 一部の有力選手は“お金を出してくれる球団をセレクト出来るかもしれないが”大半が“買い手市場”なのが現状だ。 先日、Jリーグ神○ヴィッセルの運営会社の破綻が報じられていた。 負債総額十数億。おそらくネット販売大手の楽○グループがあとを引き継ぐ模様みたいである。 まさに現実は厳しい。 プロ野球選手は常にプレッシャーと戦っている。 それは私たちが愛する作家と同じである。 まだプロ野球選手はいい。通常、入団する時に多額の契約金をもらってるからだ。 一般サラリーマンで言えば退職金を先にもらってる勘定になると考えていい。 作家の馳星周さんの日記を読んだ。 HPを開設するまでは、そんなこと(作家の収入)は全く興味なかったが今は違う。 残念ながら出版業界ってプロスポーツ界以上に“買い手市場”だと思う。 作家の取り巻かれてる環境を考察したく思うので読書をこのうえなく愛する一人の意見として是非お読みいただきたい。 ここで私たちが肝に銘じておかなくてはならないことは、本を読むことをただ単に“娯楽”としてとらえないで“文化”としてとらえることが肝要だと思う。 正直言って、作家の収入ってその才能からして少なすぎると思う。 今以上に本が売れなくなれば当然、作家の年収ももっと減り、作家という職業自体が、魅力的なものでなくなれば当然目指す人間も減ってくる。 当然、私たちもいい本を読む機会を逸してしまう。 いわば、“文化の衰退”ですよね。 ここ数年目につくのは、小さな本屋の閉店である。 いくつかの原因をあげたい。 読書人口の減少・大型書店の出店・中古書店やネット書店の発展・図書館の充実化など・・・ 今日は少し図書館のあり方に苦言を呈したい。 はっきり言って現在の図書館は程度の差はあるものの“至れりつくせり状態”である。 図書館が便利になればなるほど作家サイドは頭を抱えているのが現状だ。 馳さんの日記を読んでも分かるとおり、人気作家ほど打撃を受けている。 便利なことは利用者として嬉しい限りであるが、業界全体のことを考慮に入れると限度を超えてるようにも見受けれる。 ツ○ヤがDVDの新作を仕入れるのに“ハリーポッター”とその他の作品の仕入数に差をつけるのは当然だが、図書館が本を仕入するのに宮部さんの本を多く入れる必要があるのだろうか。 ツ○ヤは営利目的で経営されてるが図書館って公共的なものじゃなかったのでしょうか? DVDの市場と本の市場は180度違う。 DVDはレンタル店でその大半が売れることを前提として販売されてるが、本は全く逆である。 売れる本ほど図書館の仕入冊数が増えれば書店で売れる冊数が減ってくる。 売れてる作家さんであればあるほど“図書館で大量に仕入られたら困っている”のが現状である。 図書館側は“区別”であっても作家側は“差別”に他ならない。 公立の図書館の場合、本の購入は税金でまかなってるとはいえ、はたして市民の何割ぐらいが利用してるのだろうか? 私は月2〜3冊ぐらい図書館で借りて読んでいる。 恥ずかしながら通常その倍以上(6〜7冊)の本を借りている。 やはり無料であるのでそうなってるのだと思う。 ひどいのは延滞される方が想像以上に多いという実態である。 このコラムを読まれてる方はいないだろうが、図書館利用者の一部の人って“無料で借りれるから本をないがしろにしてないだろうか?” そこで現実には難しいだろうが、改善案をこの場で提案したい。 まず、図書館の利用を有料化することである。 いくらでもいい。例えば1冊10円でもいいと思う。 あと延滞料金も取ったらいいと思う。 そうすれば利用者のマナー向上にもなる。 その分、減税してくれればいい。 次に複数仕入してる本の2冊目以降の印税率を引き上げてあげればいい。 やはりどこかで今以上に還元してあげなければ苦しいよね、作家さんも(笑) 以上長々と書きましたが、作家という職業を少しでももっと夢のあるものとして、私たちの次の世代の方へ文化を引き継いで行ってもらえたらと願って書かせていただきました。 単なる読書好きから読書をライフワークとしたいと思ってるからと理解してほしく思う。 次回は愛する作家と直木賞というテーマで書きたいと思います。 関連リンク 出版不況と図書館 関連リンク 出版不況と読書のあり方 ...
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