『ふたたびの恋』 野沢尚 文藝春秋 - 2003年11月01日(土) 脚本家として名高い野沢さん、初挑戦しました。 《bk1へ》 《Amazonへ》 恋愛ものの三編からなる中編集となっている。 脚本さながらのドラマティックな展開は読んでて思わず引き込まれてしまう。 どの作品も映像化されたら野沢さんのシナリオが生きてきそうですね。 どれもが大人の恋を描いているが三者三様の特徴があって読ませてくれる。 やはり表題作の「ふたたびの恋」が一番印象的かな。 野沢氏と同様、脚本家が主人公の為にどうしてもリアルに描かれてる分読んでいて引き込まれる。 途中の盛り上がり方からラストの落ちまで休む暇もなく楽しませてくれるあたりはさすがと言えよう。 読者にとって、嬉しかったのは脚本製作のプロセスが語られている点である。 あと、ミステリー要素をまじえてる点も成功していると思う。 残りの2編目3編目も文句なく楽しく読める。 「恋のきずな」における主婦のほろずっぱい恋。 「さようならを言う恋」におけるいつまでも子供を想う父親心。 いずれもサラリと読める点が長所でもあり短所でもある気がしたのですが、どうでしょうか? 表題作は舞台化されたみたいですが、どれもが野沢氏脚本でドラマ化して欲しいなあと思える作品ばかりでした。 評価8点。 ...
|
|