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『ネバーランド』 恩田陸 集英社文庫 - 2003年07月13日(日)

本作は恩田さん得意の学園物の作品で、以前TBS系でドラマ化された作品です。

恩田さんの著作リストはこちらです。

完成された作品とは言いがたいかもしれないが、まさしく“夜中に一気読み出来る作品”です。
とにかく4人の少年たちの微妙な違いがとっても上手く描写されている。
恩田さんもあとがきでそれぞれの特徴を短い言葉で端的に表現していますよ。

わずか7日間のあいだにこれだけ打ち解け合えるのはこの年代であるがゆえのこと。
ちょっと『木曜組曲』の少年版みたいな感じでもあるが、本作の方がミステリー度は低い。

でも“過ぎ去りし日々"をとっても懐かしく思わせてくれるに十分な1冊です。
私も読みながら自分が誰に1番近いかを常に考えて読みました。
今の私じゃなく、高校生の時の私です。
そこに恩田さんの確かな筆力を垣間見た気がする。

たとえば、"俺は光浩みたいに料理は上手くないなあ"ってね。
少年時代特有の“強がり”なんかは読んでいてハッとさせられた部分でもあります。

ミステリー度を期待してとして読まれたらいささか期待はずれかもしれませんね。
どんな人にでも悩みがあるんだなあとちょっと安心しつつもほろ苦い気分になった1冊と言えそうです。


評価8点。


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