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『真相』 横山秀夫 双葉社 - 2003年06月03日(火)

5編からなる短編集だが、いつもの舞台が警察じゃない点が目新しく感じる。

『動機』は表題作だけ警察が舞台だったので本作は単行本としたら初めての警察に関わってない人で構成された作品集といえる。
今後、このような作品も出てくるであろうが本作もなかなか読ませてくれる。

本作の各編は“税理士事務所・村長選挙・リストラされた中年・体育会系の話・過去に犯罪歴をもつ男”とバラエティに富んでいる。
どの話も一筋縄で終わりません。
舞台が警察を離れた事によって、より登場人物がドラマチックになったような気がする。
その点、やや緊迫感には欠けてるような気もしますが・・・

5編ともとっても読みやすくていい。どれもがミステリー度があってどんなオチがあるのだろうかと胸を高鳴らせて読むことが出来る。
あえて選ぶとすれば感動度では表題作の「真相」、ミステリー度では「18番ホール」かな。
横山さんは期待を裏切らない。唯一期待を裏切ってるとすればあまりにもスイスイと読めてしまうことだろうか。

次はいつもの“警察小説”を読みたいと思わせてくれる作品です。

評価8点。

横山さん著作リストはこちら



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