『コールドゲーム』 荻原浩 講談社 - 2003年05月10日(土) 高校野球球児の光也が県予選に敗退して迎えた夏休み、中学時代のクラスメートが次々と何者かに襲われる。当時、いじめの対象だった廣吉こと“トロ吉”の復讐のようで、ついに死者まで出る。光也と悪友らが必死に探した廣吉は…。 テーマはいじめでとっても重苦しい。しかし、適度にユーモアをまじえてる点が荻原さんらしいのだが、それをどう受け止めるかによって評価が分かれてくるのでしょうね。 意外とミステリーの要素が高かったのは最後まで読まれたらわかるはずです。 社会派ミステリーというジャンルになるんでしょうかね。ちょっとホラー的要素もありますね。確かにトロ吉の正体がわかるまで結構ハラハラドキドキしましたよ。 どちらかといえば、大人が読むより読書離れしている高校生ぐらいの年代の人に読んでいただきたい作品だと強く思いました。身に覚えのある人が読んだら眠れなくなるかも・・・ でもちょっと結末が悲しすぎるかなあとは思いますね。 本当に起こり得そうだから余計にやるせない気が強く残りました。 荻原さんとしたら異色作かなあとは思いますが、個人的には『神様からひと言』の方が好きだなあ。 こう言ったジャンルは他の人に任せておいたらっと思われるファンの方も多いと思いますが・・・ちょっとシリアスすぎるかな? なお本作は山本周五郎賞にノミネートされています。 登場人物のキャラの設定の上手さは十分に発揮されてますが・・・ 著作リストは《こちら》 評価7点 ...
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