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『超・殺人事件』(再読) 東野圭吾 新潮社 - 2003年05月08日(木)

『名探偵の掟』路線のユーモア溢れるのパロディ的作品だが、天下一大五郎は出てきません(笑)

全8編からなりますが、特に「超長編小説殺人事件」と「超読書機械殺人事件」は面白い。
前者は本当に分厚くなっていってる傾向の高い昨今の小説を上手く風刺している。
水増しして書き足して行くシーンがとっても滑稽です。
後者は書評家のみなさんの大変さ(趣味で読むのとは違うんだなあ)もわかります。
ショヒョックスの評価モードの違いって笑えて来ますよね。
ある意味で推理作家の大変さがわかる一冊ともいえそうです。

どういう風に捉えるかによって評価が違ってくる作品だと思いますが、あんまりいろんなことを考えずに息抜きに気軽に楽しむべき本だと言えそうですね。
何作かに1作、本作のような作品を書いて読者に飽きさせないようにしてるという意図が見えますし、ほぼこういったパターンの作品に対してはジャンルを確立できたかなあとも思います。

ただ東野さんでしかこんな作品は書けないなあとはわかりつつも、シリアスな作品を優先して書いて欲しいとも思います。
あえて苦言を呈すれば、出版不況をテーマとしてるので、せめて新書版か文庫書下ろしで出して欲しいような内容かなあとファンのひとりとしては思いました。

評価8点。





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