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『覘き小平次』 京極夏彦 中央公論新社 - 2003年05月04日(日)

とっても読ませてくれる作品である。
江戸時代の怪談をベースとしている怪談話だが全然怖くもない。

小説を読んでるというより芝居を見てるような感覚で読める。
章ごとに主役が替わっていき、読者に飽きさせない構成をとっている。
いったい小平次とは何者であったのだろうか?
復讐劇となってるが誰もが悪役って感じでは取り上げられてない。
小平次の周囲の登場人物が読み進めて行くうちにリンクされて行きます。
それにしてもみなさん波乱万丈の人生です(笑)
ある意味、小平次がいちばん個性のないキャラかもしれないと思う。

ポイントは小平次の存在感が薄いと感じるか否かが評価を左右すると思う。
従来の京極さんのファンの方には『巷間百物語』に出てる登場人物が出てるみたいでより一層楽しめるでしょう。
それと元ネタを知ってる人がいたらもっと面白いでしょうね。

ラストのあたりは少しせつない気持ちにもさせてくれます。
生きてるか生きてないかわからない小平次から、生きることの尊さを学び取った気がするのだが・・・

評価8点


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