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『鎮火報』 日明恩 講談社 - 2003年04月25日(金)

主人公は消防士。父とは違い(これは読めばわかります)公務員として割り切ってなったのだが現実はそんなに割り切れない心の葛藤を描いています。

正直非常に評価のむづかしい作品だと思う。
読後感もよい力作といえるんだろうが、途中の過程がかったるく感じる方が多いんじゃないかなあと思う。
説明部分が長すぎるような気がしますよね、どうしても・・・
不法外国人労働者問題や消防署の我々にはわかってない部分の仕事などが良くわかりますが。勉強にはなるんですがね・・・

しかしながら(ここからは前向きに)主人公雄大“青春成長物語”と割り切って読めば、親子の愛情や友情を共感できるのでとってもいいかもしれませんね。
謎の中年のが少し受け付けませんが、それ以外のキャラは上手く設定してると思う。

親の殉死に同調せずに割り切って消防士となった主人公が、1週間の出来事の中で改心して行く過程がテンポ良く読めて心地よい。入国管理官に対する知識もつくし・・・
個性溢れる面々が楽しませてくれる1冊と言えそうです。

あと、肝心な部分(犯人が仕掛けた過程)の説明が若干不足かなあとは思いました。
でも仁藤の子供の頃のエピソードはラストの展開も含めてなかなか泣かせてくれますよ。
他の人の評判よりは思ったよりよかったかなあとは思いました。

評価8点。



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