『葡萄物語』 林真理子 集英社文庫 - 2003年03月29日(土) 山文さんみたいにグサッと来ないが、しっとりと読ませてくれる小説です。 はっきり言って、既婚者向けかなあと思います。 不倫の話だが、結構読後感が爽やかです。内容は切ないですが・・・ ラストのまとめ方がとってもいいと思う。不倫相手の渡辺さん、爽やかで本当にワインが似合うって感じかなあ・・・ なんといってもいいのは主人公がどこにでもいそうなありきたりの平凡な主婦である点。林さんのイメージからして高飛車な女性が登場かなあと思いましたが、主人公を含めた3人の女性、みなさん憎めませんねえ(笑) なかなか主婦の哀切をうまく描写してると思いますヨ。読者が納得の行く作品展開内容だと思います。 ひとりひとりの登場人物のキャラ設定もなかなかのもの。例えば、子供が出来ないのを嫁のせいにしている姑とか、あるいは他の男と出来てるのに若い頃からの憧れを通している男(夫)など・・・ 思わず頷いちゃいますよね。 夫や妻に不信感を持ってる方が読まれたらきっと何かを感じ取れる作品かなあと思います。男の私が言うのもなんですが女心を上手に描いてますよ。ドロドロしてないところがとっても良い。性描写もほとんどありません。爽やかなり! 評価8点 ...
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