『桜さがし』 柴田よしき 集英社文庫 - 2003年03月25日(火) 柴田さんの文庫新刊です。 京都を舞台とした中学時代からの友人同志である4人の男女と彼らの恩師である浅間寺先生を中心とした、ミステリー色を含んだ青春物語です。 なんといっても教え子4人の恋愛模様が上手く描かれています。8つの物語を通して4人の関係が変化していく模様がとっても楽しめます。 舞台が京都であるので、四季折々の風物や題材を巧みに織り交ぜており、より一層切なさがます感がしますよ。 若者であるがゆえに人生を模索している所がなんともほろ苦くてあっという間に引き込まれます。 でもみんな前向きなのがとっても清々しく感じられます。 ミステリーというより恋愛小説かなあと思います。 『ふたたびの虹』みたいにしっとりとは読ませてくれませんが、各編主人公が入れ替わっていき、若者の微妙な心の動きを堪能出来ラストへと繋がって行きます。 さてさて、ラストはどうなるか、読んでのお楽しみということで・・・ タイトルからして今の時期に読めばより一層楽しめるかなあと思いますよ。 関西弁のノリのよさもこの作品の特徴であることも付け加えておきます。 評価8点 ...
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