『ブラック・ティー』 山本文緒 角川文庫 - 2003年02月27日(木) 本当にこの人の作品は1編1編研ぎ澄まされている。 とってもいじらしい物語を書くよな、山本文緒って・・・ 人間の本音というか弱さをさりげない文章で淡々と語るワザは右に出る人がいないんじゃないかなあと思う。 誰もが思い当たる軽犯罪、読んでいてドキッとさせられます。 10人の主人公、男女問わず自分に投影して読まれた方が多いはず。 不満を言えば、薄い本なんでもっと読みたいのにっと言うところかな(笑) それほど生々しい小説といえそうです。 個人的には「ニワトリ」が1番良かったかな。 “山本文緒は長編も短編も面白い。男女問わず楽しめる”自分なりの結論が出ました(笑) 生きていく上での教科書的な作品と言ったら少しオーバーでしょうか。 少なくとも山文さんでしか描き出せない世界を短い文章の中で紡ぎ出してる点はお見事のひと言! 読者に人生における反省を促して、前向きな気持ちにさせてくれます。辛辣さが心地よい1冊です。 評価8点。 ...
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