『マドンナ』 奥田英朗 講談社 - 2002年12月14日(土) 部下の女の子に恋したり、息子がダンサーになりたいと言い出したり、同じ年の女性が上司となったり・・・ 表紙の女性がとっても印象的です。はじめ連作短編集かなあと思って読み始めましたがそうじゃなかった。5編からなる主人公がいずれも中間管理職(課長クラス)のサラリーマンの物語です。 日本のサラリーマン社会を取り巻く種々の問題をリアルにかつユーモラスに描いていてとっても読みやすい小説に仕上がっている。サクサク読めます。 普段、重松さんの少し重い(というか切ない)小説を読みなれてる私としたら、いい気分転換となった。あとは好みの問題だと思う。テーマはそんなに重くないけど、重松さんよりさりげなく書いてる点は万人受けするかなあとも思った。 個人的には「ダンス」が1番好きで、まるで重松さんの小説を読んでるような気がした。 帯にも書いてますが“オフィス小説”となってて、家庭のことにも関わりながら話の重点を会社内に置いている点はサラリーマンの方に“わかる!わかる!”っていう感じで読んでほしいという奥田さんの趣旨なんでしょうと私は受け取ってます。 もちろん、女性の方でも充分に楽しめる内容となっている。旦那さんの気持ちを共感できる一冊かもしれませんね。特に、主人公の妻となる奥様がすべて頼もしい人物として描かれていて、読んでて爽快かもしれませんね。ご主人の大変さがわかるきっかけとなる作品かもしれませんよ(笑) 5編とも主人公の名前が違うが性格的に似ている。会社と家庭に板ばさみになってる主人公の活躍ぶりを存分と楽しめます。ジーンとくる作品ではありませんがストレス解消となる1冊です。 評価8点 ...
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