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『猫と魚、あたしと恋』 柴田よしき イースト・プレス - 2002年12月08日(日)

猫は水が嫌いなのに、どうして魚が好きなんでしょう?
女の子は辛いこと、苦しいこと、めんどくさいことなんかみんな嫌いなはずなのに、なぜ、いつも恋を追いかけているのでしょう?
辛くなく、苦しくなくて、面倒でもない恋なんてどこにも転がっていないって、みんな知っているのに。


まず本の冒頭から引用させていただきました。女性心理を本当に上手く捉えたキャッチコピーだと思います。さすが、プロ!

柴田さんの短編は初めて読みましたが、なかなか気軽に楽しめました(内容は気軽じゃないのだけど・・・)サクサク読めることは確かです。
でも上記のコピーみたいな切ない内容の話ばかりじゃありません。
恋愛にまつわる9編からなるそれぞれ独立した短編集だがミステリーっぽい作品もあります。最後にドンデン返し的な内容の文もあってドキッともさせられます。
いや〜、あらためて女性って怖いなあと実感させられました(笑)。
徐々に崩れていく女性像(主人公はすべて女性)が楽しめちゃいます。少し個々の作品に当たり外れがあるような気もしますが、個人的にはプロットを楽しめる「誰かに似た人」と、爽やかなラストの「化粧」が印象に残りました。

女性を描くことがとっても上手い作家さんなので、特にこの作品なんかは女性向だと強く思います。きっとグサリとくる作品も何編かあるんじゃないかと確信しております。

評価7点。


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