白い原稿用紙

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2004年02月15日(日) 緑の柱の家

さすがにばたばたした毎日の疲れがたまって来たのかしら。
昼間や夕方に殺人的な睡魔が訪れるのよ。

でもただ 単に春だからかも知れないわ。

やっとこさカラー原稿が終わって
色々と色のことばかり考えなくてよくなったわ、と
ほっとしていた次の日、
新居に塗るペンキの色を決めて下さいと職人さんが。

また色なのねっ。
と色めき立つ。とか親父ギャグかましてる場合じゃなく。

壁のクロスは白っぽい色合いで
木の柱部分は全部若草色と決めていたのよ。

ところが冷静になって考えてみると……。

新居にはあちこちあらぬところに
穴を開けてあるのよ。
閉鎖的なのがとっても嫌いなあたくしは
壁はほとんどぶち抜き、
ぶち抜けない所には室内窓を開けてもらったの。
しかもガラスは入れていないわ。
まさにただの「穴」なわけだけど。

その穴は木で囲ってあるわけで
当然、そんな楽しい穴があれば
猫がそこにとまるのよ。
小鳥のように。
つまり綺麗な若草色で塗った所に
あっという間に無数の猫の足跡がつくわけだわ。

それはとってもありがたくないので
もっと深い緑で塗ってもらう事にしたわ。

職人さんに、そんなわけで、と
色の変更を申し出たら、
「でもこんな細い手すりや桟に猫が乗れるんですか?」と
素朴な疑問が。
普通の猫に乗れる程度の幅があるのは確かなんだけど
うちの 特に「ちょび」の場合、
どんなに細くても乗るわ。
それが細ければ細いほど 挑戦的に乗るのよ。
お向かいの鉄柵、
細いポールの上にとまっているのを見た時は
さすがに 我が猫ながらあきれたわ。
ちょびの足は 
ものがつかめるようになっているに違いないわ。

そんな細いとこに乗って落ちないんですかって、
もちろんしょっちゅう落ちてるわ。
何度落ちても挑戦し続けているのよ。もういい歳なのに。
生きている限り彼女は細い所にとまり続けるのよ、きっと。

そういうわけで、
猫がいくら乗っても気にならないような
濃い緑にして頂くのに
カラーチャートと首っ引きで色選び。

選んだ色にはメタル色が混ざっていたらしく
職人さんが困っちゃってたけど
メタルを入れてくれというほど無茶はいいませんってば。

その色でどこを塗るかと指示していた時、
いきなり職人さんが黙り込んだので
「普通、ここは塗りませんか?」と試しに聞いてみる。
それは階段の「耳」と呼ばれる部分だったんだけど。
「塗るのは難しいし、普通塗りません」と。

「そうですか〜。でも塗って欲しいわ〜〜」

職人さん達の
「普通 そんな事はしませんよ」は
このリフォームの間、何度聞いたかわからないから
もう慣れっこよ。

「階段には絨毯でもひいた方が
板の古さが目立ちませんよ」というアドバイスに
古い木の色も好きなんだけど、他から浮くかしら?
と聞いたら確信を持って言われちゃった。

「浮きますね。特に他がここまで斬新な色だと」

褒めて頂いて嬉しいけど
斬新ってほどじゃないわよ 普通よ。

はっ。全然褒めてないかしら。

古びた木の色は嫌いじゃないので
そこは強引にもとのままという意見でつらぬいたけど。
プロの意見に逆らう依頼主でごめんなさい。

その相談の後でまたふと思いついて
「塗って欲しい所の追加があるんですけど 怒る?」
と聞いたら
「怒りませんよ」と笑われたわ。
慣れっこになったのは
あたくしの方ばかりじゃないみたいね。

「普通、怒られるのは僕の方の役目です」
と職人さん。
職人さん達が 普通やらない事をここまで厭がるのは
自分で指示しておきながら
後で何か問題があると 
大工さん達のせいにする家主が多いかららしい、
とさすがににぶいあたくしにもわかってきたわ。

大工さん達もすでに
こちらのおかしさがわかっていらしたようで、
プロとして、安全面や、強度で譲れない所は
作っちゃってから「どうですか〜」
と報告していらっしゃるようになったわ。
どうですかもなにも もう変更できないじゃないのん。
やるわね。

職人さん達との日々の戦いは
最終的には引き分けというところね きっと。

昼間はそっちにかかりきり
夜には仕事にかかりきるわけで
ちょっとばかり疲れてペースが落ちてると言うか
最初から上がってないと言うか。

でも 無理を言うならこの生活があと2ヶ月も続けば
このペースに身体が慣れる気がするんだけど。
残念ながら 今月末には終わってしまうのね。

午前中に起きる生活も
頑張って下さっている職人さん達に
せめてお茶ぐらいと思うからあたくしも頑張れるわけで
これがなくなったら
また夕方まで自堕落に寝る生活に……。

しょうがないから
その時間に猫にお茶を出す習慣でもつけようかしら。

って、猫の為にそこまで頑張れないわねえ。。。
いや、問題はそこじゃなく、
猫はお茶を飲まないって事かしら。
それも違うような気もするわね。


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