白い原稿用紙

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2002年04月09日(火) 両刃カミソリのおマイ。

んがっ。
間違えたわ〜〜〜っ!!

今回の仕事は前後編なので、ボンデージのデザインが
前編と同じじゃなきゃいけないのに、
けっこうペンを入れちゃったところで
バックルの打ち合わせが逆じゃん、と。
しかも3連なのに。

う〜〜ん
気がつかなきゃそれですんだけど、
気がついてしまったからには直さなければ。

あたくしの原稿は「修正ホワイト」というのが
ほとんど許されません。
つやベタが多いので、ホワイトがあると邪魔になるし、
トーンもあちこちに張込むので、
ホワイトをかけると ホワイトのわずかな厚みでも、
上からトーンを貼った時に影になって
印刷に出てしまう事があるから。

ではどうするか。

両刃のカミソリで 上面の紙一重を そぎ取るのよ。

これは かの白戸三平のプロダクションで使われていたと言う
まぼろしの いにしえのワザなの。
現在では使っている人はほとんどいないかと。
優秀なホワイトや修正液がたくさん出回っているから
めったな事では必要とされないの。
時間がかかるし、熟練を必要とするし。

仕上げアシちゃんの、さすらいの「哭きの竜子」ちゃんが
我が家に持ち込んでくれたこのワザ。

それまでは、カッターの先で、
ほんとに 紙一重を、はぎ取っていたの。
でもこれだと、剥ぎ取った後がざらざらして汚れがつくし、
ざらざらだから、インクがにじんで上から描けないし、
トーンでカバーしない事には すぐ汚れがついてしまっていたのよ。

でも両刃のカミソリなら
鋭利な刃物でそいでいるから、そいだ面が綺麗で、
その上からつけペンだろうが、サインペンだろうが にじまないのよ。
上から 修正絵が描けるのよ、
それはそれは ありがたい技術なのよ。

でもそのやりかたを やり始めた頃
何枚 原稿に穴をあけたかわからないわ。

薄くそぐには かなり練習しないと 
ざっくり刃が入って 穴があくのん。
(空いた穴には裏から紙を貼ってごまかします。素直にホワイトかけた方が、被害はず〜〜と少ないわ)
少しは他の紙で練習しろよ、という気もいたしますが、
あらゆる技術は実践で身につける、せっかちなあたくしとしては
いたしかたありますまい。
技術を身につけるまでの 少々の犠牲は。

他のアシちゃんや、作家仲間にも教えたけど
誰も怖がって やってみてはくれません。
便利なのに〜〜〜。
原稿に傷がつくのがイヤ、という方もいらっしゃいますし。

そんなわけで 今回の原稿、
間違えたボンデージを着せられてしまった一成の身体には
カミソリのあとだらけ。
もちろん印刷ではわかりません。
でも原稿はところどころ 厚みが違います。
まだまだ竜子ちゃんにはかないません(ほとんどどこを削ったか見えない)

あたくしの苦労の跡を見つけた竜子ちゃんが
「ずいぶん上手になりましたね(^^)」と
ホメてくれるのが ささやかな幸せ。


藍まりと |MAILHomePage

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