Kyoto Sanga Sketch Book
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2007年02月15日(木) さつま町キャンプ VS清水エスパルス

怪我人(確認済):平井、星、石井、田原、登尾
(怪我から復活したばかりの大志や大久保は、調整中の為サテでの短時間の起用)


鹿児島市の郊外にある清水のキャンプ地「ふれあいスポーツランド」。
平日の昼前という事で、金網の向こうのサッカー場を見ているのは
サッカー好きそうな地味なジャンパーの初老の男性ばかり、数十人。
サポーターらしき人はほとんど見かけられない。ちょっと異様な感じ。

「清水が勝つじゃろ」
私の隣のおじさんがつぶやく。手には配られている小さな清水の選手ガイド。
今日も風が強かった。


■前半。

       アンドレ
   ↑  徳重     ↑
  美尾――→  ←――中山
     斉藤   安藤
↑               ↑
三上  チアゴ   手島   森岡

       上野


始まってすぐに思いました。
今までの柏戦、水原戦とは違う。

今まで勢いがあった中盤のパスが全く繋げない。
中山と美尾も前を向けない。


今までは前で動いてショートパスを細かく回すことが可能だったのに、
…全然できない。
中が全く使えずに今までの練習試合と違いサイドにボールを運ぼうとしても、
それでもすすめない。逆にサイドから逆襲を受けるだけ。

清水は水原や柏のように個人の寄せで潰すというより、
あの2クラブと比べて組織的にパスコースを阻んでいました。

そして清水の時間になってしまう。
清水にいいようにパスを回される。


「…あかん」
と、監督が大きな声で独り言を。そして。
「アンドー、簡単に蹴るなよ!繋げ!」
「(斉藤)大介!ちゃんと繋げ!」

斉藤が向こうから振り向いた。
「監督!(だって他選手の)サポートがないんですよ!」
監督がそれに無茶な答えを。
「なら”お前”が繋ぐことを意識させろ!」
もう一度駄目出し。
「お前がさせろぉ!」

斉藤を中心にサンガの選手たちがその場に立ったまま、大声で議論始めました。
森岡が、美尾が、中山が安藤が…全員が参加して互いの動きを大声で言い合う。
どこまでわかっているのか、チアゴも顔に似合わない可愛い声で何か言っている。
(暇になった清水の選手たちもモソモソと話合いだします。
京都選手をみて、まだ終わってないのを知ると、仕方なくまたモソモソと(笑))
私が清水選手だったら「こんなこと試合中にすんなよ、練習中にしとけボケ」と思ってる。きっと。)


やっと彼らの「激しい」話し合いは終わって試合リスタート。

押されていても、京都選手の声だけはずっと響いている。
森岡が再三、ポジションを修正させている。
GK上野の大きなコーチングの声も響いている。
とにかくうるさい京都。
(監督からも選手からも、安藤への声が圧倒的に多かったです)

30分。
斉藤がゴール前でクリアする。
また彼の怒鳴り声が聞こえる。
「ファーストディフェンダーが声を出さないから抜かれまくっているじゃないか!」

40分。
徳重のシュート!オフサイド。
次は安藤が抜け出し後ろからの中山に。GKは前にいない決定的なチャンス!
もゴールを超えて飛んでいってしまったが。

やっといくらかボールが横だけでなく前に動かせるように。


こうして前半が終わるころ、やっと対等に戦えるようになっていた(遅)


ハーフタイム。
監督がボードの磁石盤を動かしていた。
一度下がって、もらって、引き付けて、という動きを説明している。
練習試合ながら、かなり緊迫したムード。


■後半。

交代なし。

開始早々、アンドレの飛び出し。シュート!しかしオフサイド。
「いいよ、いいよ!」と大声で褒める選手たち。(ブラジル人にわかるんだろうか?)

が、後半開始の頃はまだ清水が押していました。
清水がサイドをぶち抜き続ける。ケアが後手後手になる。
GK上野が出すぎた。やばい。しかしチアゴがゴール前に入ってクリア。

次はゴール前の混戦の危機。ディフェンスに全員が集中。
ボールがラッキーに清水選手の手に当たる。
京都選手全員で絶叫「ハンドぉぉぉ!!!」

…と、声の大きさは常に京都が勝っている模様。
京都はテンションが高い(笑)

そして…状態が変わってきたのは10分ごろ。
「アップ!アップ!」と監督の声が響く中、
下がって、もらって、引き付けてパス、を繰り返えしているうち、
パスが前に繋がりだした。


今までの試合のようなショートパス一辺倒でなく、
ピッチ内を選手たちを大きく超え両サイドへ飛んでいく長距離のパス。
斜めに前に後ろに走る中距離のパス、
そして、細かく動きながら前後に繋がる短いパス、とか。

中盤の流動的な4人だけでなく、
サイドバックの森岡や三上もどんどん前を追い抜いて絡んで来る。
当初清水に使われていたサイドを京都も支配できるように。

例えば10分。
美尾と安藤?と繋いだパス。アンドレがDFラインを抜け出す!
が、ボールとのタイミングが合わず。

15分。
右サイドを上がった森岡がゴール前へ。徳重が振り向いて反転して宙を浮きシュート!
ゴール前のDFの手に当たる。
PK獲得。それをアンドレが決めて専制。

20分。
徳重OUT→パウリーニョIN

パウリーニョの曲線的な動き、ため、その上での飛び出し。
彼が入るとボールが収まり、そこからのテンポが多彩になる。
ますますサイドとのパス交換も楽に、
(徳重の鋭い直線的な動きも悪くないと思いましたが、パウは別格です…)

30分。
手島OUT→秋田IN

35分。
左サイド、美尾を追い抜いた三上。上がった斉藤から前線パウへラストパス。
パウリーニョ、シュート!
…が、シュートはゴールを超えて彼方へ。

40分。
美尾のボールが、アンドレが抜け出した清水ゴール前へ走る。
又、パウリーニョが中でためをつくり、ボールはサイドへ。中の中山へ走る。
右の斉藤から放たれたボールは中央へ走る。
しかし、悉く前を向いているアンドレや中山にタイミングが合わない。



相手にボールを支配される時間も当然あるんですが、
ある程度もたせる余裕も出てきて。
攻められても森岡や秋田やチアゴが競い合い、クリアできている。
(チアゴの入った最終ラインは、連携ミスのような自滅がなければかなり働きそう)

後半はほぼ互角。開始しばらくを除けば京都優勢なぐらい。
しかし、ラストパスとシュートの精度がまだまだ。

米田が美尾と交代(?)気がつけば、監督が「メッチン!メッチン!」と叫んでいた。

もう時間は終わろうとしていて。
「メッチン、時間を考えてプレーしろ!」と、
アピール機会をもらったばかりの選手に無情な言葉を監督が怒鳴る(酷い、笑)
練習試合ながら、勝利のために逃げ切りモードに。

この試合の勝利をキャンプの目下の目的に掲げていた京都。
必勝!

清水0−1京都

…と、何かと京都の方が勝利の意欲を感じた試合ではありました。
(清水にとってのこの練習試合の位置づけが気になるところ)

一人一人が互いに動きを確認、修正することでかわって来けるのは朗報。
後半に関しては、ある程度思った通りできたのでは。今までで一番。
昨年同様、ラストがあまりに雑ですが。
遅れて来た外人三人のコンディションが上がればもっと良くなるはず。


美濃部さんの新サッカーの印象は、
「中でキープしてサイドに展開して」という4バックでなく、
「中でかき回して、それにサイドバックがガツガツ絡む」という感じですかね。
簡単に言うと。


しかしゲームキャプテンの選手は金網から出てくる時に、結果は嬉しい一方、もっと繋げないと、サポートが欲しい、とうな垂れてました。。



■サテライト

そのまま続いて行われたサテライトの試合。
昼食時を過ぎてギャラリーも若い人や家族づれが増えてきた。

前半は、私は昼食に出たので見ていません(ごめんなさい)。
トップチームで終了前に入った秋田や米田はそのまま残っていたと思います。

参考までにサテライト後半


        西野
      小原      
  中払        大志
    永田(練習生)米田
                
田村  深水(練習生)大久保 大剛

       西野


ちょっと見ていた時もそれなりに危ないシーンもありましたが、
西村が好セーブをみせてました。

得点者:秋田、小原、(清水PK)
清水1−2京都



試合が終わって、喜んで手を叩いている老人が金網の中に(稲盛さんです)。
「俺たちどこで着替えるっすかね??」
公園の野外トイレに併設のシャワールームの前、サンダル姿の選手たち。
フェンスの向こうではバスが二台待っている。

清水のバスにも京都のバスにも手を振る地元の人々(笑)
清水キャンプは今日で打ち上げ。本日中に鹿児島を発つそうです。
明日はサンガも京都へ。

賑わっていたキャンプがどんどん終わっていく。
南九州はまたJリーグから離れた静かな日常に戻ります。
4月の鴨池戦、京都vs草津戦までは。


※2/19追記:清水エスパルスの公式HPによると、後半戦は途中でメンバーを3人入れ替え新システムもテストしていたよう。
       この日の結果だけではサンガの状態はわからないですね。


miyako |MAILHomePage

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