オモウコト。
幸希



 泣く人。


 すれ違いを起こして。
 私はきっと。
 初めて声を殺して泣く男の人を見た。
 おそらくきっと。
 私のために泣いてくれる人なんていないと思っていて。
 だから。
 何も辛くもなかった。
 人を傷つけても。
 ただ捨てられるものだと思っていたから。
 
 暗闇の中で。
 泣いていたのは。
 紛れもなく私の大事な人で。
 私を大事に思っていてくれる人だった。

 
 私は私を反省した。

2005年01月25日(火)
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