薔薇抄 *Rose Show*
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2008年05月20日(火) 天国より禁断

絵に描いたようなスリリング。
もちろん天使のリボルバツアー及びDVDのオープニングの話をしてるんですけど。
会場のドアから目に飛び込んで来た、真っ赤過ぎる光景も、真っ赤の要因である幕も照明も。だいたいあの幕、隙間から見えるしメンバが。それが一枚ずつ引き落ちるなんて。チラリズムなんてスリリングの絶対構成要因だからね。そしてあの曲。怖がらそうと思ってなくてどうしてあれになるというのか。ディズニランドも真っ青のアミュ ーズメント意識の高さ。あわや!いよいよ!遂に!を追求し尽くした演出。つまり最初からその気。だからこっちは安心してそのスリルに打ち震え戦いていれば良かったというしあわせなオープニングだったなあと、今見ても思う。用意はできてるいつでも平気さ目に付くものならワンバイワン精神。
そういう、ご用意しましたので どうぞ。っつーか、こっちはこんだけやってるんであとはご自由にどうぞ。みたいな、こちらのライブ力量をいよいよ見込まれて来たねって感じがしますね、全編通して。思い出すに。それを、DVDだと、これです。 みたいに思えちゃって、なんか違和感あるのかな、って思いました。あれ?ライブもっと自由でしたよね。なんか わたし思ってたのと違うんですが…っていう。えっと、自分が見てたのが一番いい!とか言うより、まあそれもなくはないかもしんないけど、それよりなんか、ただ、違うなっていう、だから違和感。そんだけ。前回の感想文で言いたかったのはそれでした。今わかってきたけど(今)。

まあそうは言いつつ、そうですよ。なんてったってミスタミセスですよ。
なんせ1曲目。やっぱりね、その宿命を担って生まれてきた曲だと思います。聴く側の覚悟を促し、演る側の決意を表明する。世界の到来を告げる曲ですから。だから結局、この曲に尽きて当然。バクチクの1曲目はいつもそう。1曲目たる1曲目。この鷲掴まれっぷりったら、ない。この曲だけで言ったら、13階に勝るとも劣らな いシアトリカルっぷりだと思うんですよ。よくわかんないけど、こういう設定の世界があって、そこに住んでんだなこの人たち、みたいに見える。のに、コール&レスポンス可能(求められてはいませんが)。こっちの思惑としてはこうなんですね。って言うのをもう受け止めるしかないくらいバーンってやられて、見せつけられてるにも関わらず、こっちを拒んでないとかCooooooooooL!!!!!
つかね、出て来ていきなりこの敦司 って、すごいと思うんだ。敦司が。瞬発力獣。獣レベル。VTRで見ると割といつもびっくりする。カーン!といきなり敦司過ぎて。ライブ中何度もその瞬間があるのね。ライブ見てるときは一緒に盛り上がってるから気付かない…とかそんな訳はなくて。リアルタイムでもすごいと思ってるから火が着いたようになるんだよね。そして何より敦司さんたらその役割を解りに解っている故、シルエットと動き易さを重視した、スピード社製のパンツで準備万端な訳ですよね。世界新も射程距離。メダル確実。だって深海まで潜ったりするし(タイトロープ)。イルカになって海を行ったりするし(キミガシン..ダラ)(やってない)。ねえ、しかもツアー始まってしばらく、1曲目ミスタミセスじゃなかったよね。らんでうーだったよね。でも、やっぱこれだろ。とお思いになった訳ですよね。やっっっ たね。しかもだってこの歌詞ね、殺し文句でのみ構成されてるのね。純度の高い必殺技オンパレード。パレードツアー。一撃必殺。先手必勝。だから1曲目。だってライブ1本、アルバム1枚、この色のまんま行くもんね。明度と彩度がこれで決まる。圧倒的1曲目。 こういうことをやってくれ続ける以上、わたしはバクチクファンです。わたしの宗教はバクチクです。

そう、そもそも。曲の善し悪しや、ましてやわたしの好みに沿うものを作って頂きたい、だなんて言ってない。彼等の発表するスケジュール以外で、こうして欲しいとも特に思わない。圧倒して下さい。と。ただそれだけ。その上で楽しめないなら、全くもってこっちの責任。
…なんの話してたんでしたか。
あ DVDの話をするならば(どうぞ)、バクチクはなんだか、メンバしかいないよ。あの5人がいるから画面が埋まる。あの5人がいるからセットも霞む。いっくらわたしが今井ファンとは言え、シドの手薄感は否めないし、その後登場する櫻井さんの出現で、パズルが完成するような合致を覚えるのは、メンバ含め、人類であれば全員そうだと思う(全員)。とかをね、なんでこんなに毎回確認しなくちゃいけないんだろう、と思うくらい、5人が5人過ぎるんだよね。一人一人映るからかなあ。ていうかいつでもゆうたさんがかっこいいのはなんでなの。完璧。メイクも崩れません。ライブ中に櫻井さんの匂いを嗅ぐのはどうしてですかっ(質問)。…あっちゃんいいにおいなのかな(は)。
あ、でね、この5人しかいないっぷりが、シンプルってことなのかな、と思って。
13階とかに比べたらシンプルだったんだろうけど、わたしにはバクチクはいつだってゴージャスだ。櫻井さんがあそこまで膝を高く上げてダンスし続けて下さるなんて、この世の贅沢の極みだし、アニイの毎回微妙に違う髪の立て方も、今井さんのライオンみたいな髪の毛も、それは同じこと。あのくっらい照明の中でも今井さんのジャケットがキラッキラ光り続けてんのとかも。星野さんの足が長すぎるのも。音も、だって全然薄くは無いじゃん。え ハリアップとかと比べちゃ駄目か。そうよね。ていうかね、シンプルとかいうより、塊だな、と思ったの。ごーん。と、一個。バクチクが。いる。存在する。そこが、シンプル。かつゴージャス。シンプルの対義語はゴージャスでしたっけ?いや、相反するものが同居しているとかが言いたいんじゃないので(そうですか)いいんですけど(そうですか)。
例えば、セクシャルのときとかすごいよね。てんで好き勝手なの。みんな自分の中のセクシャルやってんの。スピードとかベイビーとかとまた違うの。ビーストやクリームそうだとは全然違うの。なんかそれはすごいな、と。信頼感、とか一言で片付けらんない、運命共同体的な絶対的な存在で、互いが生きていることがばれちゃう映像。そんなことご当人たちは思いもしないんだろうけど。
あの、櫻井さんの素晴らしいらんでうー前MCは入ってないのに、今井さんのシド前MCは入っている。あのツアー集大成自ら名場面集作成みたいなMCが、歴史的物的証拠として残ってしまっている。それもすごいよね。たぶん櫻井さんは入れたくないとおっしゃり、今井さんは入れてもいいよとおっしゃったんでしょう。どちらもかっこいいですよね。だから、そういうこと。サトウタイジさん(タイプ)風に言えば、アブストラクト。それぞれのアブストラクト的なものの共存が、確固たるアブストラクトを生んでいて、それはもう、ザ・ワールドなのであり、その世界の名前がバクチクだと。…もうそんな、林檎は丸いです、そして赤いです。みたいな話はいいですか。わたしもそう思います。
いや、だからね、その確固たる世界をどう見せるのかって言ったら、ほんとはなんの演出もいらないじゃないですか。バクチクがかっこいいから映像がかっこいいのであるけれど、逆はない気がしませんか(相談)。だってバクチクありきだから。バクチクというかっこいいバンドが、かっこいいアルバムを作ってかっこいいライブをやったので、かっこいいDVDができました。っていう話の、原因の部分は常にバクチクで、バクチクはかっこいいっていうことなんですよね。それ前提なので、もう撮りっぱでいいじゃん。いっそメンバ一人1本丸々その人しか映ってないやつ5本ワンセット、とかでいいじゃん。じゃあもうそれぞれのファンに撮らせればいいじゃん。どっからどう見てもいつ見てもかっこいいんだからさ、とかいう話になってきますよね(例え話はいつも極論)。で、そんなこと監督の林さんは頭っからわかってらっしゃるんだと思うんですよ。バクチクかっこいいなんて。だから映像がかっこいいなんて。故に今回、編集違いで2本入ってる訳ですよね。普通に見たってかっこいいし、加工してもかっこいいから、両方見て下さい、と。そして、あんまり顔も体も全体が映ってなかったりするんじゃないのかな、と。目から下アップ、口元アップ、メンバが誰も画面の中央にいない、二人フレーム内にはいても、二人とも見切れてる、とか。この映像を見て、あの日のライブの全貌を、天使のリボルバツアーのライブを、つぶさに分かることはないと思うんですね。行ったから、見てたから、ああ、ああ、そうだったねって思ったり、ああ、ここはこうだったんだ、と思う訳で。それはすっごい…今までにないですよね。アルバムが出て、ツアーをやって、最終的に総括みたいに、これはこういうアルバムでこういう世界観だったんですよっていう感じの締めくくりで映像ものが出るって流れだったのを、なんか今回は、すごく別位置にDVDが来てる気がしました。…話がしつこいね。

天使のリボルバツアーはわたしにとっては、もっとギラギラキラキラしてました。
ていう話でした(ひどい総括)。


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