薔薇抄 *Rose Show*
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そうそうそう、そうですそうです。 つまり、わたしが今一番恐れているものは何かと言えば。
それは彼の。
ただならぬ、この世のものならぬ、ひたすらな絶対的な完璧な美しさ
のみに他ならない。
何も知らないけど。 何も知らないから。 何も知らないまま。
異常事態、であることだけは明白。だなんて。 そんな不安だけ煽りに煽られるこの状況を処理できるほどのバイタリティも余裕もユーモアも、わたしにはないようで。
溢れ出す壊れ出す踏み出す寸前の
ああ、紙一重の紙の上に立つその爪先が
何処へ向く事をわたしは望んでいるのかさえ、もう今では。今ではもう。
こんな危機感を未だかつて抱いた事があったのかどうかなんて、何の比較にもなりはしないし、喉元を過ぎたら熱さなんてなかったも同然だと知っている事すら、何の慰めになるんだろうね。
切れてしまえばいいと、切れてしまいたいと、思ってはいる。 そしてその実、頼りに頼り切って安心している自分も知っている。 どちらの思いも募るばかりで。 そこは本当に相容れないのだろうか。そんなことはない。 そんな尺度で計れるものなんかとうに超えて彼は。と、何度でも思うのだけれど。 彼が今日も生きているらしいということが何より、その証明。 そのクレバーさに顎が外れ歯が抜け腰が折れる、今日も。
あまりに、あまりにも、見た事がないほどに、今まで知っていた何よりも毎度毎度毎度毎度毎度、期待より記憶より前回よりずっとずっとずっとずっとずっと、彼が美し過ぎて。
世界が輝いていることを忘れそうになる。
魔物。
これはね、わたしのかわいこちゃんとの日々の研究発表ですが、前回のは途中までは違いますよ。いいですけどどっちでも。ノロケになってもあれですし。 現をスッポスポに抜かしてて、脳みその皺もいよいよトゥルットゥル。しあわせだなあ。
そして更に。 そんな彼を傍らに置いて神はこの状況を至上の喜びと感じているに違いないということについての疑いようもない決定的評価はどうすれば良いのだろう。 頼むからもうそんなに奇跡ばかりを起こさないで。 土屋さんまで一緒になって。まあ、世界一のバクチクファンだからこそ言える事な訳ですが。
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