訪れた瞬間(とき)。
本日午後2時50分。 ハムスターのちょこ(3ヶ月・♀)が 冷たく動かなくなってしまった。
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生まれたのは8月19日。 まだ結婚する前、 じゅんの実家に帰省していたとき。 夜通し起きて車を走らせていた私達は、 午後から休ませてもらっていた。
そこに連れて行っていた母ハム・モコの
「ぎいぃぃぃ!」
という奇声。 何事かと二人でカゴを覗き込むと、 まだ毛も生えていない小さな生き物が、 モコのお腹の下に6匹も。。。 すぐにそのうちの2匹が死んでしまい、 じゅんの実家の庭に埋めてもらった。
しばらくは名前もない子供達だったけど、 ちょこは一番最初に名前がついた子だった。 カゴに足を引っかけてケガをしてしまい、 あわてて病院に連れて行ったから。
今思えば、この頃から手間がかかって 兄妹の中でも一番小さくて可愛かった。
生まれて6週間ほど経って、 もう乳離れもしたようだったので もう一匹の♀と新しい小屋に入れた。 最初はすごく仲良しだった2匹だったけど、 ある時期からよくケンカをしてた。
その頃から、ちょこの様子が変わった。
カゴの隅の方でじっと丸まっていたり、 以前は触ろうとすると逃げていたのに 抵抗もせずじっと触られていたり。。。 この頃からちょこの体内では 何か起きていたのかもしれない。
そして一昨日の夜。 回し車の中で動かないちょこを見て じゅんが異変に気がついた。
すぐに別の箱に移して様子を見たけど、 水も飲まない、ご飯も食べない、走り回らない。 少し動いただけですぐ立ち止まるし、 呼吸の仕方がおかしかったり 時々痙攣のような動きをしたり。。。
夜勤からじゅんが帰ってきて、 いてもたってもいられなくなって 病院に連れて行った。先生には、
「だいぶ衰弱が進んでる。 今夜あたりがヤマかもしれない。」
と言われてしまった。
病院からもらってきたブドウ糖を 小さな注射器で飲ませてやっても なかなか思うように飲めない。
もう飲む力さえも失っていた。
じゅんが必死で呼びかける。
「頑張れよ、死ぬなよ。」
でも、もうアタシは何も言えなかった。 ただ心の中で、
早く気づけなくてゴメンね。
今までよくガマンしてくれたね。
辛いならもう頑張らなくていいよ。
ゆっくり休んで。。。
と、少しでも早くちょこが楽になるように、 苦しまないように願うことしかなかった。
小さな鼓動が消えてなくならないように、 じゅんが一生懸命体を揉んでやる。 今にも止まりそうな呼吸。 一回でも多く心臓が動くように、 何度も、何度も。。。
そして小さな、 ほんの小さな深呼吸をして、 ちょこはそのまま動かなくなった。
じゅんがテーブルの上に体を置いた。 アタシ達の目からは涙があふれて、 しばらく止まらなかった。
白い小さな箱の中に、 木屑をいっぱい詰めてやった。
あっちの世界に行っても寒くないように、 ふかふかのお布団で眠れるように。
透明なプラスチックの容器に、 水を入れて置いてやった。
あっちの世界に行っても喉が渇かないように、 おいしい水がたくさん飲めるように。
水の容器の方に顔を向けて、 顔や体の周りには餌を入れてやった。
あっちの世界に行ってもお腹が空かないように、 大好きなご飯がたくさん食べられるように。
そして箱にふたをして白いひもでくくり、 川沿いの木の下に埋めてやった。
眠っていても淋しくないように、 目が覚めても自然がいっぱいの場所で、 大きな木に上って遊べるように。
ちょこの体は瀬戸大橋を望む河口付近の、 橋のたもとに立つ木の下に眠っている。 ↑エンピツ投票ボタンです
でも、あの世にはあなたの兄妹達と、 アタシのちびちゃんもいるからきっと淋しくないね。 ↑エンピツ投票ボタンです
2004年11月12日(金)
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