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後悔するならしなければいい。まったくもってその通りだから、そうできなかった自分を後悔している。
触れた口唇は特になんと云う事もなく、綺麗に矯正された歯並びの感触を味わった。あの時の己は完全に壊れていたに違いない。 ずっとずっと触れたかった。柔らかな白い肌、掌、指、爪。 今でも泣きそうなくらいに鮮明に、でも不確かに己の中に残っている感触。
受け入れられたのではなく、拒絶されたのでもなく、でも結局あの人は爪の先ほども己を受け入れてはおらず、ただ通り過ぎるのを待っていただけ。結局の所無視されたのだと解った時のあの羞恥と後悔が苦く己を痺れさせる。
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