長〜い一日 - 2007年07月30日(月) 昨日に引き続き朝から雨がシトシト。 朝病室に行ってみると、自分の置かれている状況など分かる はずもない彩衣はいつもと変わらず上機嫌だ。 そんな娘を親としてはただ開き直って見守るしかない。 手術が無事に終わるよう祈りながら。 9:30 迎えの看護士が来る。血圧などを測った後、移動用ベッドに移る。 想像通り、手術室へ向かう時というのが一番つらい。 いつもニコニコお世話してくれている看護士さん達が寄って来て 「彩衣ちゃんがんばってね」と声をかけてくれる。 彩衣はさっき飲んだ薬が効いてきたようでぼーっとしている。 手術室の大きなドアが開き、中では手術スタッフが待ち構えて いる。ベッドが引き渡されると、それまで気丈に振舞っていた 嫁さんが突然泣き崩れた。ここは僕が一番しっかりしなければ。 「よろしくお願いします」と執刀医に向かって言ったつもりだが、 自分でもびっくりするようなか細い声しか出なかったのが 情けない。 スタッフから院内専用のPHSが手渡された。何か連絡が ある時にはこの電話が鳴る。何も問題が無ければ手術終了時に 連絡が来る。終了予定は18時ぐらい。どうかそれまで このPHSが鳴りませんように。 12:00 こんな状況では緊張で食べ物も喉を通らないんじゃないか、 という予想は外れ、しっかり腹は減るし、義母が作ってきて くれた弁当をたっぷり食べた。子供も含めた大人数でわいわい しているという事もあるんだろう。 嫁さんの実家がこっちの方という事もあり、毎日誰かが来て くれるので、精神的にも物質的にもとても助けられている。 14:00 病院の外を散歩してみる。建物の角の下のところに何か 書いてある。 「注意!この建物は動きます」 ・・・何??ハウルかっ!? もちろんそんな事は無く、説明を読んでみるとこうだ。 地震が起きた時、この建物全体が水平方向に最大で約60cm 動き、揺れを吸収する構造になっているそうだ。なるほど。 先生が「地震が来ても大丈夫」と言っていたのはこの事か。 万が一非常電源も使えない状態になっても、手動発電で手術を 最後までやり通す事ができるとも言っていた。 16:30 PHSが鳴った!! 終了予定まではまだ早いぞ。 恐る恐る通話ボタンを押す。 「手術が終わりました」 へっ? 執刀医の説明を聞く。問題なく全て順調で、手術による合併症も 今のところ見られないという。 術後の処置が終わり、ついにICU(集中治療室)で面会。 ICUというと、ガラス越しやビニール越しの面会を想像して いたのだが、彩衣が横たわっているのはちょっと特殊な ベッドではあるが、仕切りがあるわけでもなく直接触れることが できる。 彩衣の体には人工呼吸器の他、首、腹(2ヶ所)、手、足など いたるところから管が出ていて、枕元にあるたくさんの点滴 らしき器具や機械に繋がっている。 麻酔が効いていてぐっすり眠っているが、タオル越しに胸が トクトクと脈打っているのが見えてホッとする。 とにかく終わった。後は回復するだけだが、むしろ本人にとっては これから数日間の方が大変だと思う。 彩衣がんばれ! ...
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