KENの日記
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2018年07月30日(月) ウィーンフィルシェーンブルン城コンサート

今朝(昨日深夜)NHKBSで放送されたプレミアムシアター「ウィーンフィルシェーンブルン城」コンサート模様を早速見てみました。今年の指揮者はワレリー・ゲルギエフ、ゲストとしてソプラノのネトレプコが呼ばれました。ネトレプコの人気もあってかショーンブルク城の会場は近年にない大勢の聴衆で埋まりました。昨年は指揮者がエッシェンバッハなのでかなりエキセントリックなコンサートとなったのですが、ゲルギエフが指揮をするのでネトレプコ共々楽しみなコンサートとなりました。曲目は以下のとおりでした。「イタリアに因んだ」曲が演奏されたのですが、総じて水準が高く、夏の風物詩として極上の音楽会だったと思います。

1.歌劇「ウィリアム・テル」 序曲より
2.歌劇「運命の力」 序曲
3.歌劇「アドリアーナ・ルクヴルール」より アリア「私は創造の神の慎ましい侍女です」
4.歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」 間奏曲
5.歌劇「アイーダ」 凱旋行進曲とバレエ音楽
6.バレエ「白鳥の湖」作品20より 第3幕 第22曲「ナポリの踊り」
7.バレエ「ロメオとジュリエット」作品64bより「モンタギュー家とキャピュレット家」
8.歌劇「トスカ」より アリア「私は歌に生き、恋に生き」 (トスカ)
9.歌劇「マノン・レスコー」 間奏曲
10.歌劇「道化師」より アリア「あの大空で囀っている」(鳥の歌) (ネッダ)
11.歌劇「ジャンニ・スキッキ」より アリア「ねえ! やさしいおとう様」 (ラウレッタ)
12.フローレンス行進曲 作品214
13.ワルツ「ウィーン気質」 作品354

ソプラノ:アンナ・ネトレプコ
演  奏:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
指  揮:ワレリー・ゲルギエフ
収  録:2018年5月31日
収録場所:ウィーン、シェーンブルン宮殿

今回のプログラムは素晴らしい選曲だと思いました。イタリア人作曲家・イタリア各地を題材にした曲目で、ドイツ・オーストリアのクラシック音楽とは違った魅力たっぷりでした。そして演奏は非常に明るく感じで「ポジティブさ」を存分に感じました。これは「ゲルギエフ・ネトレプコ・イタリア」が旨く絡み合った成果だと思いました。カバレリアルスティカーナ・マノンレスコーの両間奏曲は、「破滅・絶望」を強調する演奏ではなく、カラッとした「明るい雰囲気」で演奏されました。これらは大変洒脱だと思いました。

ネトレプコ・ゲルギエフの二人はこの後2週間後の6月14日にモスクワ赤の広場で行われたワールドカップサッカーガラコンサートに出演したのでした。こちらも素晴らしかったですが、今日のシェーンブルンはネトレプコの素晴らしさが際立っていたと思います。ネトレプコは若い頃のスリムな容姿から中年の豊満な体形に移行し、ソプラノの声は清新な声から厚く・円熟した声に変わってきました。その延長線を想像することはファンにとってかなり「辛い」ことでしたが、今日はその傾向はやや後退し、第一人者の自信にあふれた充実した声を聴くことができました。「ネトレプコ」が「ネトレプコデラックス」となって新しい魅力を発しているようでした。




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