KENの日記
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2017年05月07日(日) 俊友会管弦楽団演奏会

錦糸町の墨田トリフォニーホールで行われた「俊友会管弦楽団」の演奏会を聞いてきました。演奏曲目は以下の通りでした。チケットは当団幹部のYさんから頂きました。

俊友会管弦楽団 第58回定期演奏会

2017年5月7日(日) すみだトリフォニーホール 13:30開演 (12:30開場)
R.シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」
ベルリオーズ:交響曲「イタリアのハロルド」
ヴィオラ独奏:佐々木亮、指揮 山下一史

「ツァラトゥストラ」と「イタリアのハロルド」という馴染みの少ない大曲を並べたプログラムでしたが会場はほぼ満員の入りでした。私的にはトリフォニーでのコンサートは天候が悪い日が多いという印象なので心配しましたが、終演から帰宅まで天気はなんとか持ちました。自宅に帰ってから夕立がが降りましたが。

「ツァラトゥストラ」は何遍か挫折した読み物で正直何を言っているのか分からない書です。ムンバイで知り合った多くのゾロアスター教徒の方々の影響で「ゾロアスター」に関する書物は何冊か読みましたし、拝火教寺院の雰囲気を感ずることができました。また「魔笛」の「ザラシュトラ」のキャラも知るに及んで、ヨーロッパでの「ツァラトゥストラ」に対して「一目」置いている状況も想像できます。しかし「ニーチェ」の「ツァラトゥストラ」はわかりません。そしてR.シュトラウスの曲も良くわかりません。今日聞いてみてもこの状況は変わりませんでした。

「イタリアのハロルド」はベルリーズがローマ賞を得てイタリアに滞在した後に作曲されました。ローマ賞を受賞した作曲家は2年間ローマに滞在することができ、その間に作曲するすることが求められのだそうですが、「ハロルド」はイタリアから帰国した後に作曲されました。解説によると滞在したローマのあるラッツィオ州の西の「アブルッツオ州」の雰囲気を織り込んでいるようです。アブルッツオ州はモンテプルティアーノ種の故郷です。大きな都市もなく「世界遺産」もない州ですが、ベルリオーズには強い印象を残したようです。

演奏はアマチュアオケとしては大変優れた演奏であったと思われました。弦楽器・管楽器・打楽器全体に大きな破綻がなく、指揮者の要求に反応して変化に富む演奏が展開されました。一方で演奏を聴きながら「音楽ファンは何を目当てにアマチュアオケを聞くのか」ということを考えました。良く親しんだ曲であれば(それも古典の様式がはっきりしている曲)音楽全体を俯瞰することが大きな楽しみとなります。これは多少演奏に傷があったとしても十分に楽しめる要素となります。しかし音楽が難解で馴染みがなく様式がはっきりしない曲においては、楽器(楽器群)の音、ソリストのテクニック、弦楽器・管楽器・打楽器合奏の総合的なサウンドに興味が移行せざるを得なくなります。

自分の楽器練習でも悩むのですが、「楽器の音色」を以下に磨き上げるのか、雑音成分を如何に除いていくのか。これがピッチの正確さ向上に繋がりますし、表現力・音量の幅の増加につながります。更に突き詰めれていけば「個々の楽器の限界」に遭遇してより良い楽器を購入せざるを得なくなる場合もあるでしょう。即物的にいうと音楽は空気を伝搬する「振動」によって「感動」を伝える芸術です。この「振動」には「強弱」に加えて「心地良さ」の要素があり、その部分が「感動」につながるのだと思います。

時にアマチュアオケにおいてはより良い「音」を出そうということより、他に演奏されないような何曲・大曲に挑むことを目指すこととなる場合があります。今回の俊友会の公演は難曲を揃えて大変な練習量で漕ぎつけた演奏会であったと思いますが、演奏会を聴いていてそして終演後に上のような感想を持ちました。




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