昨日、スリランカに帰国して、久しぶりにNHK日本語放送を見ていると、やたらに来年の大河ドラマ「新撰組」の宣伝をしていました。香取真吾が主役だそうです。宣伝文句によると、青春賛歌、立志伝のように賛美していると思えるのですが、私には新撰組はどうしても「血なまぐさい殺し屋集団」としか思えません。
確かに「勝てば官軍」の言葉どおり、明治維新は官軍側の論理で書かれた物語が多く、幕府側の論理もあっていいです。徳川慶喜、勝海舟などはきちんと評価されています。そういうことを差し引いても、どうすれば新撰組が「英雄」足りえるのか分かりません。彼らがやったことはまさしく「テロ」です。
勝海舟、佐久間象山(実は故郷信州の松代が輩出した傑物・奇人)と新撰組をいっしょにして欲しくないですね。将来の希望を失った、暴力好きな凶暴な若者達が見事に、更正するのではなく、暴力によって生きて行く活路を見出し殺戮を続けていく。時には仲間うちで殺し合う(鴨の例)。例えていうと浅間山荘の連合赤軍のような存在であった彼等。
しかも、坂本竜馬などの有意の人物を抹殺し、後の長州・薩摩独裁の明治政府樹立に間接的に貢献してしまった彼等。色々な時代の見方があるのはいいですが、暴力を肯定するような話では困ります。まあ気鋭の脚本家がどのようなドラマに仕立てるのか、興味はあります。
(もうひとつ) 今日の夜、NHK海外放送を見ていたら、8時から「年末のN響の第9」を放送し始めました。12月23日の録画です。随分昔(30年以上前の中学生・高校生時代)にはよく聴いたものでした。当時は31日の夜、紅白の裏でFM放送で流していました。退屈な3楽章を我慢して終楽章を聞き終わると本当に1年が終わったという感じになったものでした。
今回は、本当に久しぶりにN響をじっくり聞くチャンスだと思い、一楽章から気合を入れて聞き始めました。ところが3楽章が始まると、テレビの調子が悪くなり(全てのチャンネルがダメなので宿舎の装置の故障です)中断。結局そこまでしか見れませんでした。ついていません。
でも一・二楽章だけ聞いても、やはりN響から感動は得られないことを確認できました。いつでも一定水準の演奏ができることはプロとしては最低の条件です。その上で何を伝えてくれるのかが問題。N響はすばらしい職人集団ではありますが・・・。来年来日する予定の、ウィーンフィル、ゲルギエフは日本で聞きたいと思います。
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