スリランカの庶民が使う銀行として、バンクオブセイロン、ピープルズバンクの二つがあります。この二つは利用者の利便を考えてものすごく沢山の支店を持っていますが、残念ながら情報システムが不備で支店がオンラインで繋がってないのです。
この二つの銀行に我社の電話料金が支払われると、お役様の支払情報を得るまで時間がかかるので、お客様サービス上で不都合が生じます。この問題を改善するために二つの銀行を訪問して折衝しました。今の日本ではあまりに便利で忘れてしまいましたが、昔直面していた困難がそのまま存在するのです。先進国の便利さを知ってしまうと非常に戸惑います。
具体的に言うと、他と接続できるコンピュータシステムが限られた組織にしかないのです。そうすると、全国の支店の自支店管轄以外の収納情報はすべて本店に書類が送られて、本店でコンピュータに登録されます。この作業のために、膨大な書類が支店から本店に集められます。送付に時間がかかります。投入に時間がかかります。ミスが生じます。
こうしたシステムは大量の「人」を要するので雇用は確保されます。近代的設備への投資の問題、雇用削減の問題、能率向上の問題。いろいろ絡み合っています。そんな中でも資金効率を改善しなければなりません。この国の現実に即した努力が必要になります。「日本ではこうしている」と言っても何の約にも立たないのです。
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