2003年03月03日(月) |
今まででたった一人の文通相手 |
文通。
僕は今までで一人だけ文通をした相手がいる。
メル友ってのではない。郵便屋さんが運ぶお手紙の文通。
当時、僕は高校生だった。そして、修学旅行で韓国に行った。
初めての外国ということ、高校生活最大のイベントということもあり
訪れた場所、友達と共有した時間、それぞれを鮮明に覚えている。
そしてその修学旅行で、ある韓国の高校生達と交流会というものをした。
○亭高校というソウルでも有数の進学校(たぶん)だった。
まず○亭高校の運動場で全体の交流(生徒会長のあいさつとか)をし、
そのあと生徒個人一対一で話とかをした。
僕とペアになったのは背の高いメガネをかけた女の子だった。
そして、少しそわそわとしているようだった。
僕達は彼女の教室に行き、二人で話した。
僕は韓国語は片言だし、彼女も日本語は少ししか分からなかったので
二人とも英語で話した。それでも時々、通じないことがあって、苦し紛れに
ノートに漢字を書いて見せると意味を結構分かってくれたりして、それは
新鮮な発見だった。
ただ、彼女はその交流会の間「ちょっと、ごめんね」と言って席を立つこと
が何回かあった。楽しそうに話はしているのだけど、心ここにあらずという
瞬間が、かいま見えることがあった。
そんなとき、僕は、「ああ、オレがペアでイヤだったのかな。」なんて、
思ったりもした・・・。
そうして、そんなに盛り上がることもなく、交流会も終了の時間が近付いた。
僕はこの交流会をとても楽しみにしていたし、なんとなく終わるのもイヤな
ので周りの友達や韓国の子に写真を撮ろうと言った。なんか形に残る思い
出が欲しかったのかもしれない。
そんな呼びかけに4、5人が集まってきた。
「じゃあ撮るよ、ハイ!」
・・・みんな笑顔だった。
「次、○○が入れよ。オレが撮るよ。」
○川が僕に言ってきた。
「おう、たのむわ。」
僕はカメラを○川に預けた。
・・・でも、僕の隣にはその子はいなく、フレームの中にすらいなかった。
つづく
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