ゼロの視点
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2007年10月12日(金) 風呂

 実家にいる時は、普段よりも浴槽にお湯をはって、その中にはいってのんびりすることが多い私。湯船につかりながら、読書するのが大好きなのだ。風呂場にコードレス電話も持ち込んで、長電話しながら入浴なども、ちょくちょくやっている。

 さて、長旅でヨレヨレになって日本にやってきた夫だったので、彼に《私みたいに、入浴してみる?》と尋ねてみた。こんなふうに尋ねなければ、いつものようにただシャワーを浴びておしまいになるのがオチなので、あ・え・て、彼に問うてみた。

 夫もそれとなしに、入浴する気になってきたらしいので、浴槽にお湯をはることにする。私は、風呂場へ行って、ボタンを押すだけでOKだから、簡単なもの。温度設定も、湯の高さも全部調整済みなのだが、そんなのが、やっぱりちょっと未開な国・フランスからやってきた彼には不思議な模様・・・・・。

 居間に戻り、それぞれが好きなことをやっていると、音声ガイドで《お風呂が沸きました〜♪》と、軽妙な音楽と共に、それを知らせてくれるのだが、これにも、非常に驚いている夫。で、こんなことでいちいち驚く夫に、あらためて驚く私。

 驚きながらも、風呂場に向かっていった彼は、どうやら入浴したもよう。だが、風呂からの気配が、やたら静かだったこともあり、どうしても好奇心をおさえきれずに、私は風呂場へのぞきにいってみた。そして、遠慮も何もなく風呂場のドアを開けると、そこには、日本標準サイズの浴槽のなかに、ちんまりと収まった夫の姿があった。

 何かが、変だ・・・・・。
 
 でも、何が・・・・・・???

 としばらく考えたゆえに、ふとわかったのだが、夫の身体が何気にデカイのだ・・・。ただデカイだけじゃなく、厚みもある・・・。なので、彼が浴槽に入っているというよりも、何か小さな箱に夫が詰め込まれているようにしかみえず・・・・・、そう・・・、それは、まるで《屈葬》か?、という感じでしかなかった。

 正座などができない典型的西洋人の関節を持つ夫ゆえ、日本人のようにちっちゃく身体を折りたたむことなどは所詮無理だった模様。で、また、こういうことができないと、なかなか日本標準サイズの風呂で、リラックスして入浴を楽しむことが難しいのかもしれない・・・、と、私なりに悟ってみた。

 あまりに苦しそうな入浴なので、その姿を写真に収めようとしたら(あとで、友人らにみせびらかすため)、夫が怒りだしたので、泣く泣く写真撮影をあきらめたが、今となっては惜しいことをしたと思っている。

 風呂から出てきた夫に、それでも執拗に《気持ちよかった?》と聞いてみると、夫は《いやあ、すっきりしたよ》と、まるでいっぱしの日本人になったかのように答えてきたが、その後、もう一度入浴したいと、一度も頼まれなかったことを鑑みても、夫は、それほど日本式入浴は好きじゃなかったんだな・・・、と思ったゼロでした。


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